1ページ目から読む
2/4ページ目

性的な相性は“匂い”の好き嫌いに近い感覚

 性的な相性の強弱は、五感で言えば匂いの好き嫌いが近い感覚かもしれません。ほかの人が好むかどうかは分からないけれど、自分にとってはいいもの。たとえば、他の人にとっては嫌な匂いなのに、なぜか惹かれる匂いはないでしょうか。

『源氏物語』には、えも言われぬ芳香を身体から放ちながら女性を悩殺する、薫大将というキャラクターが登場します。抗しがたい魅力を表現する方法として、「香り」を使うのはうまい手です。いい匂いがすると思ったら相性はいい。「微妙に嫌」というのも、逆にいいかもしれない。「勘弁して」と感じる場合はダメでしょう。

写真はイメージです ©iStock.com

 比喩ではなくて、現実的、直接的な意味でも、嗅覚はそうとう本能的なものなので、信頼に足ると思います。匂いとして意識されない微妙なレベルで、深い反応が起きている場合も多いと思います。

ADVERTISEMENT

セックスのときの骨盤の状態 

 骨盤とセックスには深い関係があります。性的なことでも、それ以外のことでも、とにかく興奮すると骨盤はちぢむようにできています。まず最初にちぢむのが骨盤底部です。好みのタイプの相手となら、話をするだけで気分が上がり、骨盤底部はぎゅっと収縮します。また嫌な人の場合でもちぢみます。好きでも嫌いでも強く反応したらちぢむのです。身心の興奮(=骨盤の「底ちぢみ」)とは、好き嫌いやストレス・緊張感・恐怖感・楽しさなどの感情が入り混じった状態と言えます。

 たとえば私の妻はテレビを見ているときに、首の横の筋肉が太くはっきり見えるタイプの男性が出てくると敏感に反応するのですが、私にはほとんど同じタイプに見えるのに、「この人は素敵、あの人は嫌い」と両極端の反応をするのです。私から見れば、好感と嫌悪感の差がどこにあるのか不思議な感じです。特定のタイプの人に強く反応するということは誰にもあるはずですが、反応が強いほど、好感・嫌悪感を分けるのはわずかなニュアンスの差なのです。

 気の進まないことを嫌々やったり、テンションを無理やり上げたりするときも、そして逆に楽しく盛り上がるときにも、まずは骨盤底部がちぢみます。嫌でも、好ましくても興奮するとまず骨盤底部がちぢむわけです。わずかなさじ加減で好い感じ、悪い感じ、どちらにも針が振れる可能性がある。