骨盤のゆるみとちぢみが生きる活力につながる
セックスはまずはある程度、相手に好感をもっていなければ成り立ちませんが、本当に気持ちのいいところへ行くかどうかは、そこからさらに奥があります。興奮してちぢんだ骨盤底部がちぢんだままになるのではなく、次のステップで骨盤底部が少しゆるみ、骨盤の上のほうがちぢむ(集中の波の頂上に行く)かどうかにかかっています。激しく興奮するほどいいとも言えません。興奮しすぎて骨盤底部が硬くなりすぎると、この頂点へ進みません。つまり頂点に行く前に一旦ちょっとゆるむ必要があるわけです。
セックス中に骨盤がスムーズに動いて、「いい集中」状態になれば、トランス(変性意識。通常の意識ではない状態)に入ったりもするでしょう。ただどのような反応をするかは人それぞれで、激しい反応をするかどうかだけでは測れません。激しい=深い、でもない。静かで深く大きな波が来るかもしれない。そしてピークを過ぎると一転、最もゆるむ状態に向かいます。骨盤が弛緩することで身体全体の力が抜け、快感が静かに長く続きます。
この深い味わいが、生きること全体の活性につながるのだと思います。
セックスのあとに骨盤はゆるむ
骨盤がちぢむのは興奮が盛り上がる過程。ゆるんで開くのは、骨盤がちぢみきってセックスの頂点が終わったあとです。
興奮(=骨盤底部がちぢむ)→オーガズム(=骨盤底部が少しゆるみ、骨盤上部がちぢむ)→脱力の快感(=骨盤の上も下もゆるむ)というプロセスになります。
セックスがうまくいったときは、終わったときに骨盤の上も下もゆるみきります。これがさらに深い快感や満足感とつながります。ふわふわとした、浮遊感が出てくるといい。
うまくいかなかったときは、上だけゆるみ、骨盤底部の緊張が中途半端に残ります。気分としては、終わった途端にがっかりする、またはもの足りない感じがすることになります。
セックスが気持ちのよいものになるかどうかは、骨盤の形の問題ではなく、ちぢんだりゆるんだりする動きによって左右される。なめらかにちぢんで、なめらかにゆるむほど、セックスは気持ちよくなることができます。