地下鉄サリン事件「この子は大丈夫だろうと……」　教員の父が語る、死刑囚・豊田亨の“子供時代”

宗教の世界への興味

　──小学校の頃に、お経に興味を持ったと。

「全然知らない」

　──おじいさんが禅を教えていたことは？

「全然知らない。見たこともなかった」

　──中学、高校の時、人生をどう生きていくか考え、後悔のない人生がベストと話したことは？

「ありません」

　──死について話したことは？

「ありません」

　──本に感銘を受けたことは？

「知りません」

　──死は終わりでない、死の世界はある、輪廻があると……？

「いえ、知りません」

　──子どもの頃から楽しいことは続かない、そういう気持ちであったことは？

「知りません」

　──宗教についての勉強は？

「よく知りません」

　──精神世界への興味は？

「いえ」

　──家庭内で死についての話は？

「宗教に無関心で、宗教について言ったことは、ただ、大学へ行く時、新興宗教はいかんと言っていました」

　──将来、何になりたいか、言っていましたか？

「それはあります。高校入学時、将来は建築家になって、大きなものを建てたいと……。勉強して、お父さんも呼んでやる、と……。それが後半くらいから、物理学となって、呆気にとられたことはあります」

　──お子さんの将来に不安は？

「全然ありませんでした。この子は大丈夫だろうと……」

　──地下鉄サリン事件の実行犯と知ったときは？

「なんでや   え？   なんでやねん   びっくりしたことで、訳がわかりませんでした」