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当て馬役・悪役でもにじみ出る愛嬌、人柄の良さが魅力

――3人目はバンド「黒猫チェルシー」のボーカル・渡辺大知さんです。

「文春オンラインTV」より

田幸 バンドは活動休止中で、現在30歳です。彼は主人公にフラれる“当て馬役”の印象が強い役者さんでもあります。例えばドラマ「恋のツキ」(テレビ東京系)では、4年同棲していた彼女(徳永えり)にフラれるサラリーマン役を演じています。決して悪い人じゃないんだけど、長年の交際で気が緩みまくっていて、テレビを観ながらお尻かいているみたいな……。それで高校生に彼女を取られてしまうのですが、彼が演じると「でも、悪いやつじゃないんだよ。ちょっと緩んでてだらしないだけじゃん」と庇ってあげたくなるんです(笑)。

 悪役というか、ポジション的に敵に当たる役を演じても、彼がやると魅力的なんですよね。安達祐実さんが本人役で登場するドラマ「捨ててよ、安達さん。」(テレビ東京系)では、元カレ役で出演されていました。元カレというか、元旦那さんというか、あの有名な芸人さんなわけですが……(笑)。振り回されたり、優柔不断だったりする様がとても上手かったんです。

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「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」(NHK)では、いい人すぎてゾンビになってからも生前のいい人みが残っちゃってゾンビになりきれてない、という役を演じていました。悪い役をやっても絶対に愛嬌が残ってしまう渡辺さんにピタッとハマっていて、とても可愛らしかったです。

――ミュージシャンとは思えない活躍ぶりですよね。

田幸 すごく芸達者ですよね。だからこそ、思いっきり悪い役や怖い役にも挑戦していただきたいなと思っています。ちなみに、今年の大河ドラマ「青天を衝け」にも出演されます。竹原ピストルさんもそうですが、ミュージシャンの方の演技には独特の魅力があるので、これからがとても楽しみです。