一方で、女性たちからの「手がきれい」「かっこいい」というコメントもある。こうした層からすると、本郷さんはマニアックすぎて取っつきづらいところもあると思うんです。ですので、例えばお金を多く落としてくれる40~50代のマダム層をどう取り込むかがひとつの課題なのかなと感じています。
2021年は恋愛ものでのブレイクに期待
――例えばどんな役柄を演じればブレイクに繋がると思いますか?
田幸 本郷さんって、実は恋愛ものが少ないんです。ただ、2020年7月に放送された単発ドラマ「56年目の失恋」(NHK)で、現代からタイムスリップしてきた中条あやみさんと恋愛する昭和の男役を演じたんですよ。昭和の男っぽい不器用さが素晴らしかった。彼の少年のような細いスタイルもよくて、ピタッとしたシャツにパンタロンみたいな服がとても似合っていました。そこまで注目されなかったのですが、ああいった作品は主婦層にもはまると思います。単発ドラマだったのがもったいないなというくらいでした。
ベタな昭和の恋愛ドラマは本郷さんの少し現実離れした雰囲気にも合いますし、中高年にも入りやすいので、ぜひぜひ挑戦してほしいなと思います。
――本郷さんには直接インタビューをされたこともあるんですよね。
田幸 俳優さんは物静かな方が多いのですが、本郷奏多さんは実はすごくたくさんしゃべってくださるんです。そのうえ声がいいので、声だけで「これはお金払わなくていいのかしら」と思うくらい、いいインタビューでした(笑)。
――プライベートは静かなイメージがあるので意外ですね。
田幸 皮肉屋っぽいイメージを持たれている方も多いと思うのですが、本郷さんはご自身のことを「僕は圧倒的陽キャだからね」っておっしゃっていて。実はコミュニケーション能力がすごく高くて、お友達を作るのも上手な方なんですよね。すごく優しくて、取材相手にも感じのいい方でした。強烈な役とか悪役もやることが多いので、かなり印象が違いました。
ちなみに、私がお宝として持っている「少年俳優」(ぴあ)という2005年に刊行されたムックがありまして……。少年俳優だけを集めた1冊で、子役時代の神木隆之介さんがかわいい感じで表紙を飾っているんです。このムックに、当時小学生だった頃の本郷奏多さんのインタビューが載っているのですが、とってもかわいい。ちょうど2005年放送のドラマ「あいくるしい」(TBS系)で全国区になった頃なのですが、取材を受ける回数が増えたことに対して「うん。苦手だけどしょうがないかなと思う」なんて淡々と話していた。その塩対応な少年時代から、こんなにサービス精神旺盛でおおらかな優しい方になられているというところもまた胸熱でした。
――昔から見ていたら、インタビューするとなると感動もひとしおですよね。
田幸 そうなんです。本当に卒倒するほどでした(笑)。
――5人を紹介していただきました。確かにみなさん人気も演技力もあるだけに、もっとブレイクしてもいい方ばかりですね。
田幸 そうですね。もったいない。でも、みなさんの写真が並ぶだけですごく豪華でいいですね。もっともっと売れてくださることを祈っています!