人間大好きだけど、接し方がわからないんです
――単独ライブはコロナで中止になってしまいましたが、配信という方法は考えなかったですか。
鳥居 はい。だって配信だと、お客さんの声が聞こえないですよね。聞こえなかったら間の作り方がわからない。単独はお客さんの間に合わせてテンポを毎日変えているので。このテンポで言ったら昨日はこんな感じの反応だったからちょっとずらして言おうとか。
そうやってお客さんと一緒に作っていく作業ができないと、私ひとりだけ、コンビの片割れだけ『R-1』出ちゃったみたいな不安な感じです。単独ライブはお客さんの声と間と空気があって成立するから。私、グッズやそれを売ってるロビーも含めて単独だとしてたいんですよ。
――鳥居さん、一見人間嫌いのように見えて、実は人との交流をすごく大切にされているんですね。
鳥居 私人間大好きなんですよ。人間大好きだけど、接し方がわからないんです。わからないというか、合わせるのがめんどくさくなっちゃう時があって。このコロナ禍は「人と会えない」という点では、ラッキーですね。
――飲み会も堂々と「今はちょっとやめとこう」って言える理由ができて、楽なことはありますよね。角が立たない。
鳥居 そう。家でずーっと膝をかかえて1日過ごしてると罪悪感が生まれるんですけど、この時期それ生まれないじゃないですか。
――逆にいいことをしたと。
鳥居 そうなんです。すごく正当化してくれる。私をみじめにさせない、今の期間をフル活用していこうみたいな感じ(笑)。でも今こうして人と会えたのがすごくうれしいなとも思う。やっぱり人を欲してるんですね。
――私もです。リモート取材も多いので。
鳥居 あれ嫌だね~。なんだかよくわからないけど銀河の背景にしてるやつとかいるから。
――(笑)。
鳥居 銀河どういうこと?って思うとすごく気になっちゃう。すごいツッコミどころ多いじゃないですか。
あれもこだわりなんでしょうね。エゴですよ、こだわりの押し付けですよ。人がどう思うかまで考えが及んでない、鈍感タイプ。車とか駐車場に入れる時、絶対ストップの石のところまでいくタイプですね。掃除機かける時も、壁までガンっていくタイプ。
――鈍感な人は嫌ですか。
鳥居 嫌ですね。街とかでさ「じゃあねー」とか言いながら友だちと別れたその笑顔を引きずったままこっち向いてくる人いるじゃないですか。私そういう時「は?」って言ってやるんです。すっごい腹立つあれ。なに笑いの要因引きずってるんだよ、もう切り替えていけって。あっそうだ、女芸人に関して何もしゃべってないんだけど。