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特集女芸人の今

2021/02/23

容姿なんて、魂がとりあえず入ってる箱なのに

――お客さんが引いてしまう。

鳥居 だから一切そういうことを感じさせない、性別を感じさせないことをやっていきたいなと私は思うけども、でもそうなると女としての利点を生かすような、妊婦のネタとかできないじゃんって思っちゃう。

――たしかに。

鳥居 「意外とかわいいんだ」みたいなのも、それいる?って思いますよね。インスタにあげた写真のそういうコメントだけ抜き出してネット記事作られたりするじゃないですか。インスタの文章はちょっとボケてたりするのに、そこ載せないでコメントの「かわいい」を載せるんかい、みたいな。

 

――女性芸人なのにかわいいとか、それこそ鳥居さんがずっと言われてきたことかもしれない。

鳥居 ありますよ、それは。私、そんなのどうでもいいのに。容姿なんて魂がとりあえず入ってる箱としか考えてない。別に番号で呼ばれてもいいし。のっぺらぼうじゃないだけだよって感じです。

 ドラマの『天国と地獄』も女と男の入れ替わりじゃないですか。あれも視聴者は、どんだけ男っぽくできるか、どれだけ女っぽくできるかのふり幅でしかみてないですよね。そこのふり幅があればあるほど、演技がうまいって評価するんですよ。でもそこじゃないじゃん、みるところって。そこ以外も元々すごいんだよあの2人、って。

――結局その人が持っている「男っぽさ」「女っぽさ」に引っ張られている。

鳥居 だからね、ネタを見るにあたっては「女っぽさ」は排除していった方がいいなと思って。前に事務所でネタ見せがあって、私は見る側だったんだけど、その時に参加してた女芸人のスカートが短くて、スカートの中見えるか見えないかみたいな感じでネタに集中できなかったんですよ。

 だから「女のネタだけどこういう視覚的な女の部分は排除していってください」と言ったんです。そしたら「鳥居さん怖い」みたいなのが広まっちゃって、後輩の中で(笑)。

 

――鳥居さんが言いたかったのは大事なネタが目立たなくなっちゃうということですよね。

鳥居 そう。だけど彼女たちにしてみたら「女芸人だし、女を武器にする時代じゃないですか」みたいなことなんです。だけどそれは違うでしょうと。女としてはもう文字で表しなさいよって感じ。