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3ヶ月の休園、1400頭のエサ代で大ピンチ…“パンダの楽園”はコロナ禍をどう乗り越えるのか

2021/03/13
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YouTube、Twitter…SNS別の戦略

 同パークは、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!日本人に人気の動物園・水族館ランキング2020」でも、3位を獲得。実際に訪れたゲストの満足度も高い。ユーザーの口コミには「パンダがたくさん見られる」はもちろん、「広くてゆっくり楽しめる」、「何度通っても楽しい」、「入場料が高めでも納得!」などがあり、パーク全体でゲストの満足度を押し上げている。

 中には「公式Twitterを見て、どうしても行きたくなって来園した」というコメントも。SNSからも、新たなファンを獲得しているのだ。同パークでは公式ホームページのほかに、YouTubeやTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSを運営。パンダ人気だけに頼らず、様々な動物に焦点が当たるようにするという運営方針のもと、動物たちやパークの魅力を発信している。

広大な敷地には遊園地やサファリ、イルカたちのパフォーマンスが楽しめるマリンワールドもある(筆者撮影)

 投稿の切り口も、SNSの特性ごとに変える。2020年11月に生まれたジェンツーペンギンの赤ちゃんは、Twitterにはぎこちない動きがかわいい動画を、Instagramには、ふわふわの毛を捉えたベストショットを投稿。

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 同じく11月に親子の公開を開始したアミメキリンは、Twitterで元気に走り回る様子や、授乳シーンなどの親子のふれあい動画を発信。一方、Instagramには、写真ならではの、そっくりの親子の模様が並んだ様子を投稿している。

 このようにYouTubeやTwitter、Facebookには動画を、Instagramは写真をメインに発信。切り口を変えながら、同じ動物を複数のSNSにリンクさせることで、ユーザーに全てを見て楽しんでもらえるように工夫しているのだ。

 約140種もの動物たちが暮らすパークでは、繁殖にも力を入れており、シーズンには続々とかわいい赤ちゃんが誕生する。SNSでしか見られない、スペシャルな写真や動画は、ユーザーにとっても魅力的。一気にフォロワーが増加するのだという。

 YouTube以外のSNSは基本、毎日投稿。継続した発信でも、フォロワーを増やしている。更新を続けるコツは、スタッフ自身も楽しみながら行うこと。撮影と編集は、広報のスタッフが行うが、アイデアは現場に聞き込みをして得る事が多い。広報スタッフ自身が撮影を通して、改めてパークの魅力を再発見することもあるのだ。