神奈川県大磯町に続いて、福岡県田川市でも配達弁当方式の給食に髪や虫等の異物が混入。大騒ぎになったわね。岐阜市の市立小学校では教員の「完食」指導による児童五人の嘔吐が報告された。ここまでひどい事案でない場合でも、給食問題は時に子どもの学校生活を左右するほど深刻な悩みなのに、世間では過小に捉えられがち。この際ボク、言っておきたいことがあるの。
大磯町では、保護者アンケートの結果を受けデリバリー給食を始めたというけれど、給食を実施すべきか否かを保護者に問うなんてナンセンス。学校給食法第四条に「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」とある。学校給食には食育、貧困対策等様々な意義があり、当然実施されるべきもの。神奈川県の公立中学の完全給食実施率は27.1%で首都圏ダントツの低さ。給食施設設置費がネックと言うけど、怠慢以外のなにものでもないワ。
いまだに根強い「完食」キャンペーンも大問題。「食育」の方向を間違えてる。ボクのブログで給食問題について書くと「休み時間まで残された」「嘔吐した食べ物を口に戻された」等、子供だけじゃなく親世代からもトラウマ投稿が続々。体質や体調によって食べられるものや量も違うのに、一律に完食を強要するなんて、教育ではなく人権侵害、虐待よ! 文科省も学習指導要領解説で、給食のねらいとして「楽しく食事をすること」を一番に挙げているのに……。
最近では食べきれない分を事前に減らすよう指導する学校も増えているけれど、ボクの周囲でも「作った人に感謝しろ」「残すのはただのわがまま」なんて仰る御仁も多い。栄養や食べ物の大切さを伝える指導は必要だけれど、給食も一斉主義から個に寄り添ったあり方に変化してきてる現状を、改めて認識したいわね。