いや、バスと鉄道だったらスピードが違うよね、というツッコミがありそうだが、もともとお客の少ないローカル線は鉄道もさしてスピードを出していない。BRTは信号待ちのいらない専用道路を走るから、実際にそんなに極端に時間がかかっているという印象は抱かない。ただ、乗り心地は完全無欠の路線バスである。
約2時間で気仙沼駅から乗り換え
柳津駅から気仙沼線のBRTに乗ると、他にお客は観光客か鉄道ファンかと思しき人が数名いるだけであった。そこからバスはゆったりと南三陸町などを経て走っていく。途中で乗ってくる人が何人かいたが、どうやらほとんどの人が終点の気仙沼駅を目指すようだ。
1時間45分ほどかかって気仙沼駅に着く。そしてここで30分ほど待ったのちに大船渡線を転換したBRTへの乗り換えだ。気仙沼駅には鉄道としての大船渡線も乗り入れていて、駅舎から改札を通った先にBRTの乗り場と列車のホームが並んでいる。震災前までは、このBRTの乗り場も列車のホームだったのだ。
陸前高田、大船渡…大きな被害を受けた町々を抜けていく
大船渡線のBRTはどちらかというと地元のお客がよく乗っているようだ。途中で通るのは陸前高田。南三陸町もそうだが、震災では津波で大きな被害を受けた町だ。その町の中では、地元の人たちが乗り降りするシーンもあった。鉄道よりは機動性に優れるバスならでは、ということだろう。
まさに復興途上といったぐあいの町の中を抜け、大船渡の市街地に入るといよいよ終点・盛駅。バスなのに駅というのはいささか違和感があるが、もともとは列車が走っていたところをバスが走る。やはり、少し不思議でおもしろい。
3時間半を越える長旅 ついに盛駅に到着
そんなこんなで柳津駅からすると3時間半を越える長旅は、ようやく終わり、盛駅に到着した。
気仙沼駅でもそうであったように、BRTのバスは駅舎の先の“元ホーム”に停まる。ホームから駅舎を抜けて駅前に出るのは鉄道とまったく同じだ。