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こだわりの外気浴

卓也 大黒湯が都内でもかなり大規模な外気浴を備えておりましたので、私たちが作るのであれば、やっぱりそこにはこだわりたい。スペースは小さくても充実したものを作りたい、という想いが当初からあったんです。それで1年間営業しながら考えて、薪置き場だった場所を外気浴スペースにできたら一番いいだろうなと思いついたんです。

朋子 サウナの壁は麦飯石にしているんです。香川の“から風呂“で体験した昔ながらのものが良かったので。輻射熱の温度も高いですし。これもこだわりで、途中で急遽計画変更してどうしても麦飯石がいいって無理言って(笑)。工務店さんには「もうほんと無理です!」って言われたんですけど(笑)。これは譲れないって。

 
 
 
 
 

新しい時代の“せんとう”を走る

 2020年。令和の時代に公衆浴場という昭和の象徴のような業態に挑んだ新保夫妻。彼らの銭湯への思いとは。

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卓也 銭湯を次の世代に遺すためにはどうしたらいいだろうと。新しいことに少しずつ挑戦して、変化をしながら、お客様に、これなら次の世代に残ってもいいよ、って思われるものを作って、やっと残れるのかなと。大黒湯でも伝統を守りながらも新しいことにチャレンジしてきましたし。黄金湯にはその経験もかなり生きていると思います。妻が色々アイデアを出してくれたことも大きいです。

朋子 でも既存のお客様の中にはリニューアルを敬遠される方がいらっしゃるのは事実です。私の黄金湯じゃない、みたいな、ちょっと寂しい気持ちになっておられるお客様もいらしたと思います。マイルーティンとかもあったとおもいますし。リニューアルでそれができなくなってしまうというご意見もありました…。でも、新しいことを始めるにあたっては、賛否あってしかるべきだと感じます。