──今後も『くわっち』のイラストが楽しめそうですね! そうやって新たな楽しみが生まれていくのは、ファンにとって純粋に嬉しいですよ。
桑高:
そうですね。記者だけではなく、私のような『中の人』が個性を発揮して、盛り上げていく時代になったのかなと思います。読売新聞さんの若杉さん(※若杉和希カメラマン)みたいに写真集を出される方もいらっしゃいますから。
──竜王戦のあの写真は素晴らしいですよね!
桑高:
ああやってキャラクターを立てることで、それを目当てに新たなファンが来てくれる。その一助になれたらなと。
──『くわっち』に会いに名人戦に行こう!
桑高:
イベントで気軽に声をかけていただければと思いますし、SNSでも絡んでいただければと……答えづらい質問には、スルーさせていただくこともありますけど(笑)。
──そのスキルがある人には、本当に安心して声をかけられます(笑)。次はぜひ、リモートではなく名人戦で直接お目にかかれたら嬉しいです!
今年も予定通りならば4月7・8日に、『ホテル椿山荘東京』で名人戦が開幕します。
表面上は、これまでと同じ状況に戻ったように見えます。
ですがコロナ禍を経て、世界は大きく変化しました。
感染症という見えないリスクはまだ確かに存在します。
そのリスクを減らすことができるのは、運営側の対応はもちろんですが……最も大切なのは、私たち将棋ファン一人一人の意識と行動。
大げさに聞こえるかもしれませんが、そういう意味では、これまで『お客さん』であった私たちも、運営する側に立っていると言うことができます。
今回のインタビューは、桑高さんも私も、自宅からリモートで行いました。
もしコロナ禍がなければ、私が築地の朝日新聞本社まで行っていたでしょう。インタビューをするハードルはもっともっと高かったと思います。
コロナ禍を経て、世界は、囲碁将棋界は、大きく変わりました。
失ってしまったものはあまりにも大きくて、それは決して取り戻すことができないものかもしれません。
しかし取り戻すことができないからこそ……私たちは前を向き、別のものを探し求める必要があるのだと思います。