名人戦の挑戦者がA級初参戦の『西の王子』斎藤慎太郎八段に決まりました。
 詰将棋を愛する若きイケメン棋士の挑戦に、将棋界は沸き返っています(ちなみに斎藤慎太郎ファンは自らのことを『鹿』と呼びます。斎藤八段が奈良出身なので)。
 七番勝負が開幕して、斎藤八段の姿がニュースなどで流れれば、また大きな将棋ブームが起こることは間違いないでしょう。

(画像は「斎藤慎太郎|棋士データベース|日本将棋連盟」より)

 ところで皆さんは、昨年の名人戦を憶えていますか?
 コロナ禍で史上初の『延期』となり、本来なら第3局の会場となるはずだった三重県鳥羽市の『戸田家』で、6月10日から開催されました(約2ヶ月遅れの開幕)。
 名人が決まったのは、何と8月15日!
 対局場の都合も付かず、6局のうち半数が東京と大阪の将棋会館で行われるなど、外部から見ているだけでも運営側の苦労は察するに余りありました……。

 その後、緊急事態宣言は解除されて感染者数は減少しましたが、他のタイトル戦でも前夜祭や大盤解説会の自粛が相次ぎ……さらに感染の第2波、第3波で再び緊急事態宣言が……。
「今後、将棋イベントはどうなってしまうんだろう?」
 私たちファンはずっとそんな不安を抱えながら過ごさねばならないのでしょうか?

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 そこで今回は、名人戦や朝日杯といった棋戦を運営する『中の人』にインタビューしてみることにしました!

 ご登場いただくのは、朝日新聞社の桑高克直さん@shallvino)。

 新聞社で将棋に関係するとなると、真っ先に浮かぶのは記事を書いたり写真を撮ったりする『記者』の方々ですが……桑高さんは、記事を書くことはありません。
 では、どんなお仕事をしているんでしょうか?

取材・文/白鳥士郎

史上初!? タイトル戦『中の人』インタビュー

──本日はよろしくお願いします! 新聞社の方にインタビューされたことはあるんですが、インタビューさせていただくのは初めてなので、とても緊張しています(笑)。

桑高:
 私もインタビューされるのは初めてですよ(笑)。