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将棋名人戦開催の舞台裏──「コロナの影響は?」「開催地はどうやって決めてるの?」朝日新聞社の”中の人”にタイトル戦運営の裏側を聞いてみた

 それに去年の棋聖戦は、私たち記者も、終わってから記者会見にリモートで参加するだけだったんです。ずっと別フロアにいて。

──そういえば村瀬さんが画面に大きく映っていたリモート記者会見、ありましたね!

村瀬:
 対局室に入れなかったんですよ。対局開始もそうですし、終わってからも。だから将棋連盟提供の写真を使うか……。

──桑高さんのイラストを使うか、しかなかったんですね! しかも連盟提供の写真となると、他の社とも被る可能性が高い。

村瀬:
 あと、イラストだと……たとえばマスクを外してお茶を飲む瞬間とか、そういう写真って狙ってもなかなか撮れないんです。けど、イラストだとそのあたりも自由が利きますよね?

──あっ、なるほど……対局室にも入れないし、コロナでマスクしてるから表情も捉えづらい。それでイラストという方法がクローズアップされたわけですか。コロナの影響だったんですね……。

村瀬:
 とはいえ、もともと対局中の写真というのは、あまり撮ることができませんしね。イラストだと好きなところを拡大したり、対局者同士を自由な構図で並べられたりしますから。あくまで一般論としてですが、そういう利点があったんだと思います。

──ところで村瀬さんもイラスト化されていましたが、ご覧になっていかがでしたか?

村瀬:
 ふふふ……何と言うんでしょうね? その、私たち自身もだんだんとコンテンツ化してきているので。

──棋士それぞれにファンがいるのは当然として、最近では対局室の映像が見えるので、記者の方が入室するとコメントが盛り上がったりしていますね。『村瀬さんキター!』みたいな。

村瀬:
 もちろん、いい記事を書いてくことが本来の業務ですし、そこが一番大切だということは変わらないんです。

 ただ、どんな人が書いているのかを知っていただくことで、興味や関心が広がっていくこともあると思います。私たち自身が普段、どういうことを感じているのかを知っていただいたり……そういう意味で、イラストもその助けになってくれているんじゃないかな、と。