桑高:
ええ。
──けど桑高さんは、現場をご存知で、棋士それぞれのこともよくご存知だから、内面的なイメージも絵にできるじゃないですか。
桑高:
そうですね。やはり接する機会も多いですし……そういった雰囲気を、たとえばセリフとして入れたりとか。そういう部分も伝わればなと。
──あと、場面の切り取り方っていうのも大事だと思うんですよ。たとえば終局後の風景でも、両対局者だけじゃなくて、その真ん中にドンと座ってインタビューする村瀬さんの姿も書いていらっしゃる。そういう部分がファンは嬉しいですよね。
桑高:
将棋ファンの方って目が肥えてらっしゃって。対局者だけではなくて、他の棋士や記者のことも知っていらっしゃる。だから様々な情報を散りばめることで……。
──楽しませていただいてます(笑)。
さてここで、桑高さんにイラスト化された朝日新聞将棋取材班の記者・村瀬信也さん(@murase_yodan)にご登場いただきましょう!
──桑高さんのイラストを最初に見たときは、どう思われましたか?
村瀬:
やっぱり写真とは違いますよね。印象として。
──もともと桑高さんがイラストを描いていらっしゃるのはご存知で、それで名人戦でイラストを採用しようということになったんですか?
村瀬:
描いてくださいと頼んだわけではなかったんです。ただ、控室では同じ机で作業することが多いので、そういうときに『あ、描いてるな……』と思って見てはいました。
去年は名人戦で大盤解説会がなかったので、運営側は時間がたくさんあったんです。そういう事情もあって描いていたんだと思います。
──桑高さんからうかがった掲載の経緯は、先にアベマさんで採用されて、その後に朝日新聞にもと……。
村瀬:
そうですね! そういう流れでした。
──名人戦だけではなく、棋聖戦の記事でも桑高さんのイラストが採用されていたじゃないですか。渡辺明先生と藤井聡太先生の。あれはどうしてなんですか?
村瀬:
私自身が採用するかどうか決める立場ではなかったので、一般論として申し上げますが……やはり、写真だけでは伝わらないこともありますし。