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桑高:
 その年のアマチュアとプロの力の差を確認するバロメーターのような役割を果たしているので、それを楽しみにしている方々もいらっしゃいますね。

こんな時代だからこそ

──ここからは、新聞社の変化ということについてうかがいたいのですが。

桑高:
 はい。

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──将棋の対局という、価値を決めづらいものに『契約金』という形で金額を示してこられたのが新聞社さんだと思います。さらに現在では、新聞紙面に掲載されない部分……ネット記事だったり、動画配信といった新しい試みにも踏み込んでおられます。

桑高:
 ええ。

──どうしてそこまで囲碁将棋のために尽くすんでしょう? 言い方は悪いんですが……そこまでの利益を新聞社にもたらしているとは思えないんです。むしろ、負担になっているんじゃないかと……イベントの規模も、コロナ禍ではかつての半分以下になってしまっていますし。

桑高:
 新聞社が今後もずっと囲碁将棋を支えていけるかはわからない部分があります。ただ少なくとも、我々が目指しているのは……今、藤井二冠の活躍などによってここまで大きく注目していただけるせっかくの機会なわけですから、これを少しでも広げていくことができるような活動をしていきたいと考えています。

 その一環として、朝日新聞デジタルに囲碁将棋のためのページを作っていますし。あとはYouTubeで『囲碁将棋TV』というチャンネルを作って、裏側も見せられるような動画を配信して……それこそ記者が手弁当でやっているようなものなので、映像のプロから見たら足りない部分はあるとは思うんですけど……。

 できる範囲の中で、我々の手が届く範囲で、いったい何ができるのか。それを日々、探しながらやっているという感じですかね。

──桑高さんは今回、在宅勤務中にリモートで取材を受けてくださいました。コロナ禍で在宅勤務なども増えていくかと思うのですが、そういった新聞社の社員の働き方そのものが変わっていく世の中で、囲碁将棋との関わり方というのも変わっていく部分が発生するのでしょうか?