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将棋名人戦開催の舞台裏──「コロナの影響は?」「開催地はどうやって決めてるの?」朝日新聞社の”中の人”にタイトル戦運営の裏側を聞いてみた

source : 提携メディア

genre : ライフ, 娯楽

note

桑高:
 うーん……我々新聞社の者は昔から『出かけるときはカメラを必ず持て』と言われてきたんですよ。

──カメラを?

桑高:
 デジタルカメラになる前から言われてきたんです。写真というのは、その場にいないと撮れない。そして、事件の現場に出くわすのは、いつ誰がそうなるかはわからない。もしそれを撮影したら、近くの支局に飛び込んで、それを渡せと。それが大きなニュースに繋がるかもしれないからと。

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──ははぁ……。

桑高:
 記者じゃなくてもそう言われてきたんです。今やそれが世の中みなさんスマホに搭載されたカメラを持っていらっしゃる。だからそういう意味では……ようやく世界が追いついてきたのかな、と(笑)。

──はははは! でも確かにそう考えると、新聞社の方々が最も輝ける時代が来たと捉えることもできますね。

桑高:
 あんまり言うと不遜な感じがしますけど(苦笑)。

──桑高さんはSNSでイベントの裏側の写真や、棋士のイラストをアップしておられます。しかし囲碁将棋以外にもたとえば大河ドラマの『麒麟がくる』や『青天を衝け』のイラストをアップしたりリツイートしたりと、別の世界とも繋がろうとしておられますよね。

桑高:
 ああ、はい。そうですね。

──そういった囲碁将棋以外の世界と繋がり、そこで何が求められているかを感じ取られて、これまでとは意識が変わってきた部分はあったりしますか?

桑高:
 う~ん……フォロワーが増えてくると、ヘタなことは言えないなという緊張感はありますけど(笑)。

──はははは!

桑高:
 もともとそんなに変なことを言ってないと思うので、大丈夫ですけどね。

──何を申し上げたいかと言うと……これまで新聞社さんが開いておられた将棋のイベントだと、運営側の顔がファンからは見えないというところがあったと思うんです。

桑高:
 ああ、そうですね。

──けど、SNSを始められたことで、囲碁将棋の関係者だけではなく、ファンと直接繋がることができるようになった。そういう変化があったのではないかなと思ったんですが……。

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