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──プレーヤーじゃないと、盤面を見てもわかりづらい……ということなんでしょうか?

桑高:
 だと思います。パッと見たときに、将棋だと『王様を詰ます』ゲームなので、王様が攻撃を喰らってるかどうかでだいたいわかるじゃないですか。詰みがあるかどうかはわからなくとも、なんとなく形勢はわかる。

──はい。

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桑高:
 それに対して、囲碁は陣取りゲームなので、パッと見てもよくわからない。しかもコウがあったり……盤面が行ったり来たりするし。『あれ? こっちで戦ってたんじゃないの!?』ってなったり、後から『ここが勝負の分かれ目だった』とか言われてもよくわかんないし!(だんだんテンションが上がってくる)

──はぁ~……(この人、ほんと囲碁好きなんだな……)。

桑高:
 あと、もう一つゲーム性の違いがあるんです。将棋は終盤に行くに従って、手の価値が大きくなるんです。

──終盤に行けば行くほど、一手でも間違えれば詰みが生まれる。なので将棋は時間の経過と共に緊迫感が増していきます。

桑高:
 そうそう。でも囲碁は、最初に打つ手の価値が一番大きい。最初にだいたい(価値の大きい手は)終わっちゃってるんです。そして最後に行けば行くほど収束していく。

──はい。

桑高:
 その収束が、接戦なら面白いんですよ。でもその面白さを理解するためには、知識が必要なんです。

──だから囲碁のファンはプレーヤーが多いと。

桑高:
 そこの違いかなとは、昔からよく言われてることですね。

──イベント事として見た場合、盛り上がるのは最後までハラハラできるほうですよねぇ。

桑高:
 ですね。だから囲碁でも最後まで接戦なら盛り上がりますし、あとは大石を殺し合う場合。それは将棋とも似たような感じになりますね。でも……目数計算だけしてるような場合は……。

──大盤解説でも、会話が止まっちゃうような感じに……。

桑高:
 そこでじゃあ、どうやって盛り上げたらいいのか? というのは……難しいところはありますね。