3位「弁当自販機」
「茨城県稲敷市の国道51号沿いに、看板も無い物置のような謎のプレハブ小屋がある。知らない人ならこれが店とは気づかないほどだ。中に入るとそこは昭和から時間が止まったままの空間だった。古びた自販機と卓上ゲーム機だけの殺風景な自販機コーナー、その正式名は『あらいやオートコーナー』。この店の主役は1970年代から50年近く使い込まれたボロボロの弁当自販機だ。全国でも数台しか残っていないツガミ製の自販機は手作りの弁当を約60℃で保存し、300円を入れボタンを押すとドサッと取り出し口に落ちてくる。その風格のある見た目とは裏腹に出てきた弁当は丁寧にパックされて清潔だ。とんかつ弁当や焼肉弁当などがあり素朴に旨い! そのギャップが最高にクールだ」
2位「シャープ製生めん調理自動販売機」
「2012年に埼玉県深谷市の『CityBoy』というゲーセンが閉店したのを最後に絶滅してしまったシャープ製のめん類自販機。特徴は富士電機の回転式とも川鉄の傾斜式とも違う3D湯切りとも言うべき独特のものだった。回転しながら更に傾斜も加わり、温めつつ麺をほぐすという凝った機構だったが、実際はあまり湯切りが上手ではなかったと管理している方から聞いたことがある。複雑な機構のため修理も難しく、他より早く消えていったのかもしれない」
1位「みそ汁自販機」
「日本人のご飯のおともみそ汁。この身近な飲み物もやはりとっくの昔に自販機化されていた! 最盛期は1980年代で各地のオートレストランなどで稼働していた。郷愁溢れるデザインのパネルが堪らないレトロ感のみそ汁自販機は、粉末味噌がお湯とともにカップに注がれるシンプルな機構だが、機械が動作する様子は昭和の近未来感に溢れている。茨城県神栖市の『ドライブイン丸昇』に最後の一台が稼働していたが2012年に閉店し絶滅した。しかし2020年には近似機種が神奈川県相模原市の『中古タイヤ市場 自販機コーナー』で復活し稼働している」
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写真提供・魚谷祐介(Webサイト「懐かし自販機」、YouTube)