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なぜこれを自販機に? 昭和レトロな「謎の自販機」ベスト30 生うどん、焼肉弁当、白米付きボンカレー、手袋、乾電池…

レトロ系自販機の第一人者が選んだベストは?

2021/04/17
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9位「川鉄めん類自動調理販売機」

9位「川鉄めん類自動調理販売機」
9位「川鉄めん類自動調理販売機」

「富士電機に先がけて1972年に登場したのが『川鉄のめん類自動調理販売機』で1980年までになんと9000台が製造された。一番の特徴である湯切り機構の方式が、富士電機の回転式とは違い器ごと傾けて湯切りする傾斜式となっていて、具が飛び散ることのないジェントルなものだった。最盛期には駅、空港や大手企業の社員食堂などにまで設置され、オートレストランやゲームセンターなどでも定番だった。

 中身は各自販機で味も違い、またうどんの出汁などは東西でも味の文化の違いがそのまま反映されていた。現在では10台以下まで激減し絶滅の危機に瀕している。京都府舞鶴市の『ドライブインダルマ』では3台の川鉄機が並んで稼働する圧倒的な光景を現在でも体験することが出来る」

8位「かき氷自販機」

8位「かき氷自販機」

「コインを入れてボタンを押すと目の前で豪快に氷を削り、カップから溢れだすまでその勢いは止まらない。最後にシロップがかかって完成。なんでも自販機にしてしまう昭和の日本人開発者魂には脱帽だ。海の家の前やオートレストランなどによく置かれていた。現在稼働しているものは神奈川県相模原市の『中古タイヤ市場 相模原店 自販機コーナー』に一台あるのみとなっている」

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7位「ボンカレーライス自販機」

7位「ボンカレーライス自販機」
7位「ボンカレーライス自販機」
7位「ボンカレーライス自販機」

「笑福亭仁鶴の顔がとても目立つのがボンカレー自販機。プラスチックの弁当容器に入ったライスとレトルトカレーがセットになってポトリと落ちてくる。自販機内は60℃以上に保温されていて温かいカレーライスが24時間食べられる。自分でレトルトパックの封を切ってご飯にかける。味は普通にレトルトカレー、しかしライスの種類や炊き加減は置いてある店ごとに違い、遠出の時などに食べると旅情も加わり普段よりおいしく感じられたものだった。現在は全国で3台ほどが稼働するのみとなっている」