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今年のダービーを見て感じた追憶…ウマ娘ファンにも知ってほしい「ミホノブルボンvs.ライスシャワー」“激闘譜”

2021/06/04
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92年、圧勝続きのミホノブルボン

 92年の春。ミホノブルボンは硬質な逃げでクラシックを圧倒した。

 皐月賞トライアルのスプリングステークスはスタートから先頭を奪うと、のちのチャンピオンスプリンター、サクラバクシンオーをさしおいて逃げ、逃げきってしまう。2着とは7馬身差あった。

ミホノブルボン ©️文藝春秋

 皐月賞はスプリングステークスを再現するようにスタートから先頭に立ち、楽に逃げきった。2着のナリタタイセイとの着差は2馬身半。これで5連勝。

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 5月31日、日本ダービー。2400mという距離もミホノブルボンには問題ではなかった。ゲートが開いてすぐに小島が促すと、1コーナーの手前で先頭に立ち、あとは自らが標的となって逃げていく。持ち前のスピードと、ハードトレーニングで培ったパワーとスタミナでそのままゴールまで突き進むだけだった。

 このとき、ずっと2番手を進み、4馬身差の2着に踏ん張ったのがライスシャワーだった。

16番人気だったライスシャワーが見せた踏ん張り

 生まれたときから体が小さく、牧場でもめだつ存在ではなかったライスシャワーは、2歳の夏にデビューして3戦2勝。その後、骨折で半年ほど休み、復帰戦がスプリングステークスとなった。ミホノブルボンとの初対戦は4着、9馬身の差をつけられた。つづく皐月賞も8馬身余離された8着。そのあとNHK杯でも8着に敗れ、2着にはいったダービーは16番人気だった。

ライスシャワー ©️文藝春秋

 3歳秋。シンボリルドルフ以来の無敗の三冠馬をめざすミホノブルボンは菊花賞トライアルの京都新聞杯を逃げきって連勝記録を7に伸ばした。ライスシャワーはセントライト記念ではミホノブルボンとおなじ戸山厩舎のレガシーワールドに頭差、京都新聞杯はミホノブルボンに1馬身半及ばなかったが、しっかりと2着を確保していた。

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