この記事では、日本で2020年10月2日に『鬼滅の刃』22巻が刊行され、単行本の販売部数が1億部を突破したことを指摘。劇場版アニメも大ヒットしたため、ネットフリックスでは『鬼滅の刃』の興行に関心を持っているとする、ネットフリックス関係者のコメントも紹介した。
そして、2021年1月27日に『鬼滅の刃』劇場版が韓国で公開され、2月22日には韓国のネットフリックスでも『鬼滅の刃』アニメシリーズの配信が始まった。
『鬼滅』の劇場版アニメは、新型コロナ・パンデミックにより映画産業が崩壊寸前の状況でも、2021年3月7日まで累積観客数100万人を突破し、同じ時期に公開されたディズニーのアニメ『ソウルフル・ワールド』に続き、2番目に100万人突破を記録した。興行は続き、5月18日までに延べ200万人を突破した。
ネットフリックスは、韓国で、コロナ・パンデミックにより加入者が爆発的に増加。ネットフリックスの映像コンテンツは、デジタルネイティブの若い世代にピッタリの先端的なメディアとなっていた。そんな韓国の若い世代が、ネットフリックスのアルゴリズムに勧められて、『鬼滅の刃』に接することになった。
劇場版が日本で史上最高の興行成績を更新したという日本発のニュースにも後押しされ、YouTubeやネットコミュニティ、ソーシャルメディアに推薦の書き込みが頻繁に掲載されるようになり、ネットフリックスでの視聴へと繋がった。
「完結巻」は総合ベストセラー1位に
この劇場版アニメ、ネットフリックスによるアニメ配信に後押しされて、コミックスの『鬼滅の刃』の販売部数が伸び始める。
韓国の書店大手である「教保文庫」によると、2021年1~4月のマンガ販売量が前年同期比で61%も伸びた。そのうち、日本のマンガが中心となる「コミックス分野」が67%も増えている。『鬼滅の刃』の完結巻となる23巻が刊行されると、教保文庫の4月第3週オン・オフライン総合ベストセラー1位となった。マンガの単行本が同書店の総合1位になったのは、2014年のユン・テホの『ミセン』以来だ。
さらに細かいデータをみると、今年1~5月の『鬼滅の刃』のコミックスの出庫量は、1月と比較して2月が3倍ほど上昇。その後も上昇傾向が続いている。
つまり、劇場版アニメやネットフリックスの配信が先行して、単行本が売れるという流れだったのだ。