子供から大人まで大人気のアニメ「鬼滅の刃」。国内では昨年10月に映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は公開から73日間で興行収入が324億円以上に上り、これまで歴代興行収入1位だった「千と千尋の神隠し」(2001年、約316億円)の記録を破った。鬼滅人気は海外にも広がっており、米国では劇場版が4月23日に公開されると、たちまち外国映画で興行収入1位の大ヒット。コロナ禍では珍しく、行列ができる映画館もあった。
劇場版「鬼滅」の北米でのタイトルは「Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba the Movie: Mugen Train」。タイトル内の「Mugen」やほとんどの登場人物の名前、「Hashira」など物語中の多くのキーワードは訳されずにそのまま日本語が使われている。鬼の最高位「十二鬼月」も「Twelve Kizuki」と一部を残した。
血が飛び交うなど、子供には刺激の強いグロテスクな場面が特徴の鬼滅の刃。国内では、劇場版は12歳未満には保護者の助言や指導が必要とされるPG12指定だったが、米国では17歳未満に保護者の同伴が必要な「R指定」と対象年齢が引き上げられている。
公開3日で2100万ドル「コロナ以降、米国で最大の興行収入に」
ゲーム・エンタメ情報サイト「IGN」によると、劇場版「鬼滅」は4月23日(金)に米国やカナダの1600カ所以上の劇場で公開された。たちまち人気となり、米国では海外映画のオープニング興行収入歴代1位を記録。その週末だけで、興行収入は2100万ドル(約23億円)を超える大ヒットに。4月8日に公開された「モータルコンバット」の公開週末の興行収入2250万ドルをわずかに超えることはできなかったが、5月第1週の週末は「モータルコンバット」を抜いた。2週目で逆転したのだ。鬼滅人気の高さは太平洋を越えてもうかがえる。
映画情報サイト「Box Office Mojo」は、「昨年初めからのコロナ禍以降、米国で最大の興行収入になった」とした上で、感染拡大の影響で自宅で動画配信サービスで映画を見る人が増える中、「人々が再び映画館に足を運ぶようになったことを表している」と指摘した。