昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/06/21

退職祝いに輸入禁止のあの哺乳類を…

 同じ生き物のプレゼントでも、爬虫類と哺乳類とでは迷惑度がまったく違う。その意味でニシキヘビ以上にヤバいプレゼントをもらったのが、通信関連企業で営業マンとして働いている岡田純一郎さん(仮名、38歳)だ。

 10年前に、当時やはり営業マンとして働いていた会社を辞めるとき、直属の上司から“ある動物”を退職祝いとしてプレゼントされたのだという。

「プレーリードッグですよ。体重が1kgから1.5kgぐらいあるリスの仲間で、めちゃくちゃ運動量が多く活動的な動物です。当時の会社は、上司が無茶な要求ばかりしてくる典型的なブラック企業だったのですが、退職を告げると強く引き止められて……。

 最終的に渋々退職を認めてもらったのですが、送別会で上司がサプライズの退職祝いとして用意したのが、ケージに入ったプレーリードッグでした」

 ちなみに、プレーリードッグは感染症を防ぐために2003年から輸入が禁止され、いま売買されているのはそれ以前に国内に入ってきた個体から繁殖されたもの。そのため個体数が少なく、価格相場は現在1匹20万円まで上昇しているといわれている。

プレーリードッグ ©️iStock.com

「上司はわざわざ相模原のペットショップまで行き6万円で購入したようです。『高かったからありがたく飼え』と言うんですが、マジで開いた口が塞がりません。ようは退職祝いを口実にした最後の嫌がらせというか、ウケ狙いのネタだったんでしょう」

 ニシキヘビもそうだが、生き物のプレゼントが厄介なのは、受け取った以上はずっと飼い続けなければならないことだ。もちろん岡田さんも飼わざるを得なかった。

「当時は現在の妻と同棲中だったんですが、プレーリードッグを連れて帰ったら腰を抜かすぐらいびっくりしていましたね。でも、飼っているうちに意外と気に入ってくれて、それから10年以上、プレーリードッグが天寿を全うするまで一緒に生活しました。

 ただ、半分放し飼いにしていたので、賃貸の部屋の壁を穴だらけにされ、退居するときに仲介会社からとんでもない金額を請求されたのは誤算でした。正直、元上司にもそのお金の一部を負担してほしいくらい。とにかく、結婚祝いにせよ退職祝いにせよ、生き物をプレゼントしちゃダメですよ。相手がどれほど迷惑するか考えてほしいですね」