もらったテディベアに盗聴器が
最後にさまざまな品物を日常的にプレゼントされるキャバ嬢のケースを紹介しよう。
一条えみりさん(仮名、27歳)はコロナを機に夜の世界を引退してしまったが、それまで3年ほど歌舞伎町のキャバクラで働いていた。当然、客からいろいろなプレゼントをもらったが、そのなかには迷惑でヤバいものもたくさんあったという。
「キャバの場合、誕生日とかクリスマスとかのイベント時に太客が宝飾品やブランド品をプレゼントしてくれることはよくあって、そういうのはうれしい。換金可能だから。
迷惑なのは趣味系やオタク系のプレゼント。これは私ではないんだけど、前にスターウォーズマニアの客からダース・ベイダーのフィギュアをプレゼントされた子がいました。全長50cmくらいの高そうなフィギュアで、実物大のライトセーバーとセットでプレゼントされたって。
けっこう昔のモデルなので、いまは10万円ぐらいするみたい。でも、マニアにとってどれだけ価値があっても、ウチらには単なる粗大ゴミ。客が店に通ってくれる間は捨てられないので、その子も『部屋が狭くなるからマジ迷惑』ってぼやいていた」
えみりさん自身がもらったプレゼントで一番ヤバかったのは、盗聴器入りのぬいぐるみだったという。7、8年前にアイドルファンがプレゼントに盗聴器を仕掛けたことがあったが、キャバ嬢に対しても同じことをする客がいるようだ。
「テディベアをプレゼントされたんだけど、その40代のサラリーマンの客はしつこく口説いてくる粘着質なタイプだったから、怪しいなと思ったわけ。そうしたら案の定、盗聴器的なものが入っていた。一応お金落としてくれるから問い詰めなかったけど。
でも、盗聴器が入っていてもいなくても、ぬいぐるみをプレゼントされて喜ぶキャバ嬢なんていないと思う。クレーンゲームで取った小さいやつならいいけど、基本邪魔だから。キャバに限らず、たいていの女子はぬいぐるみもらっても迷惑なんじゃないかな」
結局、迷惑がられないためには、プレゼントを受け取る相手のことをちゃんと考えるということに尽きるのかもしれない。