1ページ目から読む
9/9ページ目
否定形で指示されるとネガティブな印象に
何気なくオフィスのドアを閉めたときに、「あ、ドアを閉めないでください」と指示されるのと、「ドアを開けておいていただけますか」とお願いされるのとでは、どちらが気分的によいでしょうか。
どちらも「ドアを開けた状態にしておいてほしい」との要望なのですが、前者が「○○しないで」という否定形であるのに対し、後者は「○○して」という肯定形による言い方で、印象は大きく変わります。これは日常のさまざまな場面にも通じることですが、人は「否定形で指示される」よりも「肯定形で依頼される」ほうが、受けとめやすくなります。
部下のミスを指摘するときも、「それはしないでください」と過去にやったことを否定するより、「次からはこのようにしてください」と未来に向けた肯定的なアドバイスのほうが、前向きに取り組んでもらえます。「この資料の納期は絶対に遅らせないでください」と言われるより、「この資料の納期は守ってください」と言われたほうがやる気が出るんですね。
友だち同士でも、「今月は忙しいから会えないの」というより、「来月は時間があるから会えるよ」と言ったほうが、お互い気持ちがいいもの。お願いごとだけでなく、仕事でもプライベートでも会話の基本は「肯定形」です。「否定形」で話をする人は、相手に対してネガティブな印象を与えてイメージも悪くなってしまうのでご注意を。(「断り方」編に続く)