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「できない理由」を伝えて「代案」を

 

 何か頼まれたときに、「忙しさ」を理由に断るのはよくあること。「忙しいので」「立て込んでいるので」「バタバタしているので」もよく耳にする言葉です。しかしこの断り文句は、「あなたのための時間はありません」と言っているのと同じで、失礼にあたります。失礼にならない方法は、「今週は厳しいですが来週でしたら」と、いつまでならできるのか明示すること。

 断る理由が忙しさではなく、仕事の内容に関する場合は、「その仕事に必要なスキルがまだありません」「業務内容の引き継ぎをしていません」というように、できない理由を、正直に伝えることです。そうすると言われたほうも、別の人に相談するか、できない部分をフォローする手段を検討するなど、対策を考えることができます。

 一番よくないのは、やりたくない仕事やできない仕事まで、すべて「忙しさ」を理由に断ること。そうすると、「この人は言い訳ばかりしてやる気がないんだな」と思われて信頼を失ってしまいます。断ること自体は悪くありません。しかし断り方を間違えると、相手との関係性が悪くなってしまうのです。

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 ですから、まずは「できない理由」を伝えて、「代案」がある場合は提案すること。すると断られたほうも、「そういうことか」と理解して不快な思いをせずに済みます。代案は、次につなげる気持ちの架け橋です。