「小室圭さんは炎上を恐れず、記者会見を開くべきです。それが現状を前に進める唯一の道だからです。しっかりと越えるべきハードルを越えれば、事態を好転させられる可能性は十分にあると考えています」(蔭山洋介氏)

 4月8日に小室圭さんが自身の母親と元婚約者間の金銭トラブルについて説明するために、A4判28枚にも及ぶ文書を発表した。しかし、その文書をめぐって批判が集中すると、わずか4日後には元婚約者に対して解決金を支払う意向を示した。婚約延期から3年以上が経過するが、昨年の会見で秋篠宮さまがおっしゃった「多くの人が納得し喜んでくれる状況」とはほど遠いのが現状だ。

小室圭さん ©JMPA

 5月に米フォーダム大学のロースクールを卒業した小室さんは7月にニューヨーク州の司法試験を受け、その後、帰国する可能性も囁かれている。しかし、秋篠宮さまがおっしゃった「それ相応の対応」を果たすには、文書ではなく自らの口で国民に説明すべきだという声も上がっている。

 プロのスピーチライターであり、一部上場企業や政治家の会見のサポートもする蔭山洋介氏に、小室さんがもし記者会見を開く場合、どのように答えるべきか、くわしく聞いた。

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蔭山洋介氏 ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔 

忘れてはならないのは、「会見は魔法ではない」こと

 私は、スピーチライターとして記者会見の支援をさせていただく仕事をしています。スピーチライターというと、一言一句を修正し、人の心を動かす表現や言い回しを考えるものだと思われがちですが、実は言葉以上に大事なのは、会見を開く前に話すべき内容を整理する事前準備にあります。

 忘れてはならないことは、「会見は魔法ではない」ということ。どれほどの美辞麗句を並べ、人の心を感動させるコメントをしても、事実として「なかった」ことを「あった」ことには出来ないのです。うわべだけを繕っても人間は案外だまされないものです。すぐに「ああ、この人は嘘をついているな」と見抜かれてしまいます。

 もし、小室さんの側に嘘や、不誠実さがあれば、それは見抜かれてしまって、ご結婚を前に進めるための会見を開いても、それが逆の結果に結びつくということは十分にありえます。

 たとえば、最近でも会見で本音が出てしまい、失敗してしまった例がありました。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の会見です。