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「もっとも大事なのは僕の元気」草彅剛が語る「徳川慶喜を演じる“秘訣”」

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甲冑が一番やばい

 元気でいるために、毎日20分ぐらいの運動を心がけています。YouTubeで検索したらトレーニングの動画がたくさん出てくるでしょ。腹筋やエクササイズを公開している人が次々と出てくる。これが好きで、今ハマっています。動画を見ながら自宅でできるし、いろんな方法を試せるのもいいですね。

 慶喜の衣装はかなり重くて、着るときは全身の筋肉を使っています。着物の下は補整でぐるぐる巻きにされていて、刀も差すでしょう。着物だけでも重いのに、刀が数本加わるとさらにずっしり。たまに正装することもありますが、黒い束帯も結構、重くて。

 でも、それ以上に甲冑かな。半端ない重量で、あれは本当にやばい。筋力がないまま甲冑スタイルで馬に乗ったら、体幹がぶれて落馬してしまう。乗馬も「よーい、スタート」と撮影が始まったら誰も助けてくれないし。しかも、すぐに着脱できないんです。楽屋に戻っても、そのままの格好で横にもなれない。固められたまま休憩(笑)。だから、なおさら鍛えておかないと無理。腹筋を割ってモテたいとか、もうそういう気持ちはまったくありません(笑)。自分の危機管理のため、健康維持のためのトレーニングです。

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甲冑での乗馬はもっとも体力が必要 ©NHK

 映画『ミッドナイトスワン』でトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)を演じたときも、外見は女性役だったけれど筋力は落とさないようにしていました。役者として、まず動ける体であることが大前提だから。

 僕は演じる役によって何かを変えるとか、細かいことはしません。いつも毎日、軽い運動をするだけ。それが僕にとっては一番の役作りでもあるんです。

 最初は何を考えているかわからない慶喜だったけれども、将軍になると、自分の考えをどんどん押し出していきます。竹中直人さんが演じられた父・徳川斉昭から将軍職を勧められてはねつけたときは、慶喜が何を考えているのか共感しづらかったですが、自分の進む方向が定まってくると本領を発揮していきます。力強い慶喜を演じるためにも、体づくりは肝心ですね。

慶喜との共通点

 僕と慶喜の似ているところ? 何かあるかな。そういえば慶喜は新しいものが好きだったり、海外のものに関心を持ったりしています。その点は同じかもしれない。僕もアメリカや外国のカルチャーが好きだし。デニムもそう。慶喜はスーツや軍服を着たり、当時はフォトガラフィと呼んでいたカメラが趣味だったり。慶喜は今でいうデジタル志向なのかな。僕も新しいものが好きなほうだから、今後はそういう共通点も楽しめるかもしれません。

 主演・渋沢栄一役の吉沢亮さん、平岡円四郎役の堤真一さんとの交流や、『新選組!』で主演を務めた香取慎吾さんからの『青天を衝け』への感想などについて明かした、「大河ドラマ『青天を衝け』草彅剛が『徳川慶喜を語る』」の全文は、「文藝春秋」2021年8月号と「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。

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草彅剛 「徳川慶喜を語る」
「もっとも大事なのは僕の元気」草彅剛が語る「徳川慶喜を演じる“秘訣”」

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