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記者会見の写真を持っているとされる驚きの人物

――何が正しい情報で何が間違った情報なのか、混乱しそうですね。

三上 そういう怪しい奴が色々出てくるから、ロズウェル事件は一体どこまでが本当なのかっていうのがある。でも、そもそもの発端である、軍が「空飛ぶ円盤を捕獲した」と発表して、その次の日に「やっぱり気球でした」と記者会見したことは紛れもない事実で。そのときに、ロジャー・レイミーという准将がメモを持って説明してるんだけど、マニアはそのメモを解析するんですよ。すると、「犠牲者」とか「リスク」とかそういう単語が出てくるわけ。

1947年7月9日の記者会見で「気球の残骸」を見せるロジャー・レイミー准将(左) ©getty

 ちなみに、そのとき新聞にも掲載された、レイミー准将が気球を持って、回収した物体について説明している写真があるんだけど、そのネガフィルムは今、誰が持っているかわかりますか?

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――いや……、誰でしょうか?

三上 ビル・ゲイツです。やっぱり金持ちはそういうのが欲しくなるんですかね。……しかし、ロズウェル事件で面白いのは、軍の説明が二転三転してるところなんですよ。最初は空飛ぶ円盤だと言っていたのに、その数時間後に観測気球だと修正した。ただ、90年代になってから、その説明も翻すんです。

 今度は、気球は気球でも、もっと軍事的な利用をするモーガル気球だったんだと。わかりました、気球でもいいでしょうと。でも、最初の説明はやっぱり嘘だったんじゃん、と思いますよね。それに、当時、墜落物を実際に見た証言者たちはもうほとんど亡くなっていますけど、彼らは誰ひとりとして気球だったとは言ってないんだよ。全然、見たこともないものだったと証言している。

――確かにこれもまた、いろんな憶測が生まれる事件ですね。

三上 ロズウェル事件後は、みんなが宇宙人に興味を持ち始めて、それもどんどん派生していくんだよね。それで、90年代になって宇宙人解剖フィルムというのが出てくる。ロズウェルで回収した宇宙人の死体解剖を撮影したもの、という話で、日本ではフジテレビが購入して放送したんだけど、これも結局、もとの制作者が「フェイクでーす」って言ったんだよ。

ロズウェルの国際UFO博物館に展示されているエイリアンの模型 ©AFLO

 それでチャンチャン、という感じで、今では笑い話になってるんだけど、実はあれ、笑えないかもしれないんだよ。どうも、女性の死体の一部を使ってる可能性があってね。……まぁ、それはまた別の話ですが、そんな感じで、今も非常に謎の多い事件なんです。