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 私はこれまで、少年院で性非行少年の再非行防止のためのグループワークを行ってきました。その中で、猥褻行為をやった少年にその理由を聞いてみると、最初はたいてい「性欲だった。どうしても女の子のアソコをみたかった」と言ったりしますが、グループワークを進めていくうちに、次第に「色んなストレスが溜まっていて、その発散のために猥褻行為をやった」というふうに変わっていきます。

 そこでの一番のストレスの原因は共通しています。“イジメ被害”です。つまりイジメを受けたストレス発散のために、小さな女の子をターゲットにして性非行を行っていたケースが非常に多かったのです。イジメは、その当事者だけでなく新たな被害者を生んでいたのです。発達障害や知的障害のため対人スキルが乏しく、イジメ被害に遭い、さらに性非行につながっていった少年たち。これぞまさに“被害者が加害者になる瞬間”です。

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【身体的不器用さ】身体が不器用だったらどうなるのか?

 非行少年の中には、身体の使い方が極端に奇妙で、不器用な少年たちがしばしば目につきました。

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 少年院での体育の時間には、

“野球でキャッチャーをやっていた少年がボールを一塁に投げたのに、少年の右側の近くにいる教官に向けてボールが飛んでいった”

“サッカーでゴールにボールを蹴るところを相手の脚を蹴り、一試合で何人も捻挫した”

 といったことが起こり、少年院の日々の生活でも、

“洗面台の水道蛇口を回し過ぎて蛇口をもぎ取ってしまった”

“トイレで便器の外ばかりに小便をしてトイレを汚し続けた”

 など、「わざとやった」と言われても仕方がないような動きをする子がいました。