「顔は出ますね。すんごいもぉ、ありえないメークをして、髪も全然変えてですけど。会社の人が言ってたのは、300本くらいしか出ない、マニア向けのやつだって」
単価の安さに衝撃…
「本来は、ウンチまでする予定だったんだよね?」
「ウンチするとめっちゃもらえるんですよ、おカネを」
「いくらだったの?」
「オシッコだと1回6000円だとか……」
「安っ!」
「エヘヘヘヘヘ……」
「ウンチだと?」
「ウンチだと倍の1万2000円とか。オナラは一回3000円ですね」
カオルの口にする単価があまりに安すぎて、デフレもここまできたのかと、正直驚いた。同時に、彼女も氷山の一角だろうから、その金額でそこまでやってしまう女の子が、世の中にはある程度いるということに慄いた。
顔をさらけ出したうえで…
「であと、もう一つ変なシチュエーションで撮ったのがあって、スーツみたいなのを着て、職場みたいなセットのなかで、この世界ではみんなマイボトルを持っていて、人前でそれにオシッコをするのが当たり前だ、みたいになってるんですよ。そこで私が同僚役の女の人と『だよねー』とかふつうに立ち話をしながら、オシッコをする、みたいな」
「つまりそのときは、オシッコを我慢するのと、あと立ち話をしてオシッコをするという二本を撮ったんだ」
「あとなんか、それ以外に下着の買い取りとかしてて、写真付きだと1着2、3000円くらいで買ってくれるんですけど、それもやって……」
「その仕事はどうやって探したの?」
「それもなにか女の子向けの求人サイトで、パーツモデル募集みたいなのが、けっこうあるんですよね。で、最初に募集してたところと、ライン面接みたいなのを進めていったら、風俗だったら紹介できますって言われて、いや、それは嫌だよみたいな感じで止めて。もう一つのほうが、要するに行ったところなんですけど、ホームページとかちゃんとしてて……行ってみようかなって」
「1日仕事だと思うんだけど、結局いくらもらったの?」
「たしか2、3万円でしたね」
「顔出しで安くない?」
「そうですね。フフフッ」
ここでもカオルは笑う。