チャットレディも経験
「でもなんか、これが、この仕事が人気らしくて、なかなかこう、回ってこなくて、
同じところで『チャットレディって興味ある?』って言われて、私も『あ、やってみたいでーす』とか言って、2回目、4月くらいに行って、そのときにチャットレディみたいなやつをやったんですよ」
いわゆるオンライン会議のようなかたちで、男性客とパソコンのカメラ越しにやり取りをする仕事だ。
「どんなことをやったの?」
「なんかオナニーするところを見せる、みたいな……」
「それは全部脱いだの?」
「いや、見せちゃいけないところが法律的にあるんで、乳首まではオッケー、みたいな。下はパンツ穿いたまま、手を入れて触ったフリしたり」
「それでいくらになったの?」
「はーでもなあ、安かったなあ、これ。3時間くらいやって、あとこのとき、オシッコ系の撮影も一緒にやっていいってことだったんですよ。それとかも一緒にやって2万円くらいの金額だったから……。チャットレディに関しては1万3000円くらいだったかな。それにオシッコと、そのときはオナラもやって、全部でそれくらい」
聞いている私も、徐々に感覚が麻痺してくる。安い、安すぎるとは思うが、まあそれもどうでもいいか、といった具合に、すべてにおいて投げやりになってしまうというか……。
そんなに怖いとか恥ずかしいはない
「その仕事はそれ以降もやったの?」
「いやもう、その2回で終わりました……」
続けてカオルが口にしたその理由は、まったく予想もしていないものだった。
「オシッコ我慢すんのが、もうめちゃめちゃキツイんですよ」
それかい、と心のなかでツッコミを入れた。
「1回目に行ったときの次の日なんて、オシッコに行くたびに尿道が痛くなっちゃって、ンフフフフ……」
「この期に及んで聞くのもなんだけどさあ、カメラの前でふだん人に見せない行為を見せるわけじゃない。羞恥心という面ではどういうふうに受け入れてたのかなあ」
「う~ん、なんか、相手があまりに遠い存在になり過ぎたら、あんまり実感がわかないんで。そんなに怖いとか恥ずかしいはないですね」
「遠い存在になり過ぎるとは?」