マネーが集まる重要要素が「暴力」だ
こう聞くと「ナチスドイツを肯定するのか!」と、激昂して人格否定を始める人が多くいる。こうした人たちは「独裁」という言葉に脊髄反射を起こしているに過ぎない。そもそも「ナチス」を「独裁制」の代表とすることが正しいのだろうか。
もちろん、ユダヤ人の虐殺をはじめとして、ナチスの行ったことが鬼畜の所業であることはいうまでもない。だが、ナチスがドイツで台頭した背景となったのは第一次世界大戦の敗戦による賠償金と、植民地の没収だ。1929年、そこに世界恐慌が押し寄せた。国民総貧困という暴力的な状況に対して、ドイツ国民は「ナチス」という暴力をもって対抗したということになる。
ソ連や中国が共産党による一党独裁の国家として建国されたのに対して、「ナチス」は民主主義的な選挙を通じて有権者によって選択された。つまり歴史的には「ナチス」のほうが異例の独裁制なのだ。こうした「異例」を防止するため、ドイツでは「阻止条項」が設けられた。政党得票率で5%未満しか獲得できず、かつ小選挙区制で3議席以上獲得できない政党が連邦議会の比例代表に議席を得ることを禁じているのである。
アメリカ大統領、ジョー・バイデン氏が新型コロナウイルスの発生について改めて調査するよう情報当局に指示したのは、2021年5月26日のことだった。中国発生説を実証する意図は明白だ。また、同年6月13日に閉幕したG7の共同宣言では、
「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」
としながら、
「自由や平等、人権の保護などの力を使って挑戦に打ち勝つ」
とした。一国二制度による台湾接収は中国が「核心的利益」と呼ぶ国家戦略だ。この両岸問題について中国の国家主席、習近平氏は2019年、2020年と「武力行使」に言及している。「アフター・コロナ」に向けて、米中新冷戦構造の緊張激化は避けられない見通しだ。