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父は「どうせ、やめるんだろ」というスタンス
――先方はお父様のことは。
紘毅 知らないです。なので、当日は「前川って……ああ、そういうことですか」みたいになっていましたね。いざ、挨拶が始まったら親父が「僕もエイベックスでシングルを出してもらえませんかね」とか言い出して(笑)。それで場が一気に盛り上がって、「だったら、やってみろ」と。
――「おめでとう」ではないんですね。
紘毅 「どうせ、ダメになる」「まあ、やるんだったらやってみ? どうせ、やめるから」というスタンスだったんですよ。
でも、オーディションに受かった時は「浜崎あゆみに続け!」という見出しで新聞の一面に大きく掲載していただいたし、僕のなかでも「あのエイベックスに入ったんだぞ」「親父、いまに見ていろよ」という気持ちもあって。でも、そこから1年はまったくデビューできなかったんですよ。
親父から「おいヒロ、おまえのデビューってどうなったんだよ?」って言われる日々が続くようになりました。
(#2に続く)
撮影=今井知佑/文藝春秋