高校最後の文化祭でものすごい拍手を浴びて
――音楽を仕事にしようと思ったのは、やはり中学、高校でのバンド活動があったからですか。
紘毅 そうです。高校最後の文化祭で、貴大と話し合って「ふたりで歌おう」と決めたんですよ。それでふたりで歌ったんですけど、貴大がうまいのは当たり前で。一方の僕が歌い出すと、初めは「なんで、アイツが歌ってるのよ?」という空気だったんですけど、そこからものすごい拍手が起きて「ウォーーーーッ!!!」ってなって。
文化祭の最優秀賞みたいのまでもらったんですよ。その時に僕も歌をやってみたいなと思って、本格的に目指すようになりました。
――大学は尚美学園大学へ。
紘毅 そこでピアノとギターを学びました。親父には何も言わず、母ちゃんにいろいろ書類を書いてもらって試験を受けて。合格して「自分でここの大学に決めて受かったので、行くことにするね」「在学中に音楽の仕事に就けなかったら、他のことも考えるから」と親父に話したら、「おお、そうか」と、一応受け入れていました。
エイベックスとUSENの共同オーディションでグランプリ
――そして、エイベックスとUSENが共同で開催したオーディション「a-nation '05」に挑むと。
紘毅 未成年だったので、それも母ちゃんに承諾書とかを書いてもらって。オーディションには、母ちゃんと九州にいるじいちゃん、ばあちゃんも来てくれて。だけど、最終審査に残って僕が歌い終わったら、さっさと帰ってしまったんですよ。
そうしたらグランプリを獲って、取材の方たちに「ご家族、いらしてます?」と聞かれたものだから慌てて母ちゃんに電話して。「もう、九州に向かってる」とか言われましたね(笑)。
後日、エイベックスの方々が家族にも挨拶したいとうちの家に来ていただくことになったんですよ。親父にも挨拶してくれと頼んだら「それ、やっぱりデビューはなかったことにしてくださいって謝りにくるんじゃないか?」とか言い出して(笑)。