文春オンライン

2021/09/18

競走会の一連の疑惑への返答は…?

 競走会に八百長問題と給付金不正受給問題について質問したところ、文書による回答があった。その一部を紹介する。

――故意に着順を落とす不正は西川元選手以外になかったと断言できるか。もしそう判断したのであれば、そうと信じた根拠をすべて教えて欲しい。

<回答> 検察による選手に対する厳しい捜査の結果、他に逮捕者は出ておりません。また、全選手及び競技運営に携わる関係者に対する調査結果からも、他に不正に関与している者はいなかったと判断しております。

 前述したとおり、「検察による選手に対する厳しい捜査」なるものは存在しない。増川調書に登場する何名かの選手が、増川証言の裏付けのために特捜部の事情聴取を受けているのは事実だが、「検察の捜査」で他に逮捕者がいなかったから八百長はない、と主張するのは前提が間違っている。選手に聞き取りをしただけで「不正はなかった」と判断しているならば、西川の不正を長年放置していたときと状況は何ら変わっていない。

――事件後、全選手に対し、西川元選手との関係や金銭の貸し借りの有無、手記『競艇と暴力団』を読んだかといった質問を含む面談を行なったか。もし行なっていれば、そこで西川元選手以外の八百長選手について何も情報は出なかったのか。

<回答> 西川元選手との関係や金銭の貸し借りの有無については、個別面談で聞いております。その際、他の不正に関する情報はありませんでした。手記が出版される前に面談を実施しており、面談では手記のことは聞いておりません。手記では具体的事実の摘示はなく、改めて手記を読んだかといった調査は必要ないと考えています。

 西川の手記が公表される前の面談についてのみ説明されているが、今年に入って、競走会は全選手への再教育の面談を実施しており、そこで西川の手記についても質問している。「調査は必要ない」と言いながらこのような調査が実施されているのはどういうことなのだろうか。

今年(2021年)に実施された面談時の質問項目

――競走会は決定的な不正の証拠がある場合、確証があれば捜査機関に告発する対応を取るとファンに説明している。間違いないか。

<回答> 間違いありません。

 西川と増川の間でやりとりされたLINEの内容は決定的な証拠に匹敵する。選手の実名を報じられる前に、自主的に調査し告発すべきだろう。

――4月段階では215名の選手にコロナ給付金の不正受給があったと公表されたが、8月に10名、新たに不正受給があったと発表があった。この10名は、最初の調査で不正受給していたにもかかわらず「していない」と虚偽の回答をしたのか。そうでなければ後から判明した理由は何か。

<回答> 後日判明した10名の選手につきましては、「すでに給付金を返還済み若しくは返還手続き中であったことから該当しないと思っていた」、「家族等が手続きをしており受給している事実を知らなかった」ために、競走会の調査に対し受給していたという申告が遅れたのが理由です。

 これもおかしい。競走会が当初行なった全選手に対するコロナ給付金問題のアンケート調査は、「給付を受けた」選手に対し、「すでに返還手続きを行なった(手続き中である)」場合には、その旨、該当する番号にマルをつけて回答するフォームになっている。「返還手続き中であったから該当しないと思った」などという発想は通用しない。また家族が勝手に申請し、本人が給付金を受けたことさえ知らないというのは「家族内給付金詐欺」であり、別の意味で問題だろう。