コロナ禍にもかかわらず、投資界隈では急速に「再生エネルギーが次に来る」ということでバブルみたいな状態になっております。

 湾岸のタワーマンションや港区中央区の物件を買い漁っていた資産バブルの動きがようやく一服すると、低成長の日本経済でも手堅くお金が出るだろう事業投資にマネーが向かうのは当然であります。ただ、いわゆる商業施設への投資は、某GINZA SIXや阿佐ヶ谷のような閑古鳥のすみかに代表されるように「ちょっとでもハズレの案件」がもたらすリスクが大きすぎ、また、どうもこれからオフィスの空室率がもう少し上がりそうだということで、実に微妙なことになっております。

 なので、次なる新天地を求めるとなると、これらのエネルギー関連に手を出そうというところも増えるわけですよ。

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ただいま出火中、テクノシステム社の事例

 一方で、先般熱海市で発生した土砂災害では亡くなった方まで出してしまった太陽光エネルギー関連では、いわゆるメガソーラー開発案件が死屍累々です。メガソーラープロジェクトを始めるぞ、と自治体と握ったというので投資資金を集めているはずが、実は地元住民との折り合いがつけられておらず反対運動まで勃発して頓挫した挙句、投資資金を「事業管理費として支出した」と称して全額近くを溶かしてしまう半分詐欺みたいな案件まで出ました。

 それらの問題の一つが、いままさに出火しているSBIグループのSBIソーシャルレンディングから融資を受けていたテクノシステム社です。もともとは、架空の太陽光ソーラー事業をでっち上げ、信用金庫・信用組合などの金融機関にうその書類を提出して約11億6500万円の融資をだまし取ったとして、東京地検特捜部がテクノシステム社の経営者を摘発した事例ですが、まだまだ余波はあります。

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クリーンな再生エネルギーに関わるダーティーな顔ぶれ

 その前哨戦として、公明党元議員・遠山清彦さんや、次期衆院選に出馬せず引退を表明した太田昌孝さんなど、依頼された中小企業への融資を仲介した嫌疑で騒がれている筋の話に繋がっていきます。クリーンな再生エネルギーのはずなのに、関わっている人たちがおおむねダーティーそうに見えるのはなぜなのか、思わず座禅を組んで瞑想したくなるような事態に立ち至るのであります。

 そのテクノシステム社の経営者と我らが元総理・小泉純一郎さんが夢の特別対談を果たし、そのご長男でタレントの小泉孝太郎さんが2019年ごろから広告塔を務めております。環境大臣に小泉進次郎さんが就任したことも含めて考えると、その再生エネルギー方面というのは小泉家の皆さんのファミリービジネスなのかなと思う人も少なくないかもしれません。

 小泉家のご清栄、ご発展を、心より祈念しております。