採算が合う地域はごくわずかの風力発電
そして、日本周辺は実はあまりちゃんと風が吹いてくれません。非常に残念なことです。日本各地で最後の切り札的に洋上風力発電の試験実証なんてのを沢山やってますが、商業ベースでどうにか採算が合うのではないかと見込まれるのは秋田県・能代市や三種町及び男鹿市沖ぐらいで、それ以外のところはなかなか厳しいわけですよ。
仕方がないので、そういう有望な地域に洋上風力発電プラントをたくさん設置しようと頑張る方向でいろいろと話が進んでいますが、それでもEUの風力発電の雄たるノルウェーやデンマークなどと比べると、とてもじゃないけど日本人の全人口や産業をある程度カバーできるような発電量を確保できそうにない。もちろん、これから技術開発もするだろうし投資も政府や民間でやっていくとは思いますが、そもそも採算ベースに現段階で到底合わないものを、収益リターンを期待しておカネを集めるファンド形式でやっても魅力のないビジネスになってしまいます。
菅直人太陽光バブルのツケが発生
そうなると、必然的にFIT(固定価格買取)制度のような政府が民間で発電した電力を公的事業として包容して、電力会社に買わせる方式でしか介入ができなくなっていきます。FITと言えば、それこそ東日本大震災が発生して、東京電力・福島第一原発事故で当時の旧民主党政権のトップであった菅直人さんが、ソフトバンクグループの孫正義さんの説得によって再生可能エネルギーの買取額をキロワット当たり42円という途方もなく高い価格で握ってしまったために、代替エネルギー開発のためには一番投資を集めなければならなかった時期に、みんな太陽光発電に殺到して大変なことになったわけです。
再生エネルギーに切り替えなければならないタイミングで、ふと気がつくと太陽光以外は研究や開発が進んでいなかったことに気づいて、仕方なく原子力発電に頼って再稼働を検討しなければならないという本末転倒になります。
いま日本各地で放棄されてしまったり地滑りなどの事故を起こしているメガソーラー事業は、おおむねこれら菅直人太陽光バブルで適当な工事をして品質の低い太陽光パネルで事業展開を全国でやらかしたツケが発生しているとも言えます。