10月からたばこが値上げになる。2018年10月に1箱20円~30円以上、昨年10月にもさらに同規模の値上げと近年は増税が続いており、愛煙家からは「またか」というため息も聞こえてくる状態だ。
どうしてこれだけ“容赦なく”上がるのか。自身も愛煙家のカンニング竹山氏が、元主税局総務課長で、現在は東京財団政策研究所の森信茂樹氏に聞いた。
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酒やたばこは政府にとって「お金を調達するための貴重な手段」
竹山 たばこが10月からまた値上げになります。文字通り「また」って感じですね、なぜ毎年のようにボンボン上がっていくのか……(苦笑)。一方で、私は喫煙者なので「負担する側」ですが、「たばこには税金がかかっている」とひとくくりにされたところで、実のところ具体的に何を払っているのか、何に使われているのか、正直よく知りません。
森信 たばこを吸う人でもそうだったら、吸わない人はもっと知らないでしょうね。私は財務省にいた頃、たばこ税を担当したことがあります。喫煙者でもなければ、もう辞めて10年くらいたちますが、それでもよければ聞いてください。
竹山 ありがとうございます。では早速、なぜたばこの税金だけが毎年のように上がっていくのか、教えてください。
森信 嗜好品である酒やたばこは、「好きな人」にとっては多少値段が高くても買ってもいいかなと思うものでしょう。これを政府の方から見れば、そういうところに税金をかけると収入を得ることが出来る。いわば、お金を調達するための貴重な手段、「財政物資」だと捉えられているのです。実際、令和元年のデータを見ると、酒税は1兆2400億円。たばこ税は1兆9900億円に達しています。
竹山 その金額は、税金として大きいんですか。