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森信 大きいですよ。2兆円といえば、消費税1%が2兆5000億円程度なので、1%弱に相当します。たばこの販売数量は年々減っていますけど、税収額は毎年ほとんど一定です。
「これ、もう半分くらいが税金ですよね」
竹山 喫煙者が減って売り上げが落ちた分を、値段を上げてカバーしているわけですか。
森信 そうです。税収というのは、「P(price=値段)×Q(quantity=数量)」に税率を掛け合わせて決まります。たばこの場合だと、定価×本数ですね。
喫煙者が減っているので、税収を確保するためには、税率を上げなければなりません。しかし税率を上げすぎると値段が上がり、販売本数が減って税収が落ちてしまう。財政の状況も勘案しながら、そのバランスを見つつ、少しずつあげているのです。
竹山 微妙な調整が、ずっと行なわれてきたんですね。今回はメビウスが540円から580円に上がって、僕の吸っているアメリカンスピリットは570円だったのが600円になります。これ、もう半分くらいが税金ですよね。
森信 600円のたばこの場合、50.8%に当たる304.88円がたばこ税です。さらに消費税がかかるので、定価の60.8%が税金。とはいえこの割合は、基本的に昔からずっと変わっていません。ただ、値上げの仕組みが不透明だと批判されたので、平成30年度の改正で、紙巻きは1本1円ずつ3段階で増税することになりました。今年10月は3回目の増税に当たり、1本あたり15.244円のたばこ税が課せられることになります。