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ひさしぶりに誕生した“ブルートレイン”「WEST EXPRESS 銀河」に乗ってきた

ひさしぶりに誕生した“ブルートレイン”「WEST EXPRESS 銀河」に乗ってきた

「ファーストシート」での紀南ツアー体験記

2021/11/28

genre : ライフ,

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『いい日旅立ち』が好きだ……けど、しつこい(笑)

◆2021年9月6日 23時42分

 京都を出発した列車は、関空特急「はるか」のルートをたどる。行程表には示されていないけれど、向日町、茨木でしばらく停まった。臨時列車だから定期列車に道を譲りつつ走る。新快速に追い越された。

 東海道本線から貨物支線に入って、大阪駅北側の「うめきた」と呼ばれるあたりを走る。観光ガイド放送があって、旧梅田貨物駅跡地を説明してくれる。地下に駅を建設中で、大阪駅地下プラットホームの扱いになる。「はるか」「くろしお」など、貨物線経由の特急が停車する予定だ。将来は建設中の地下路線「なにわ筋線」の起点となり、阪和線と南海電鉄が乗り入れる予定だ。おおさか東線が新大阪駅から延伸するという話もある。

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乗務員さんが歓迎してくれた!

長時間停車で食べる和歌山ラーメンがうまい

 貨物支線を走った列車は大阪環状線の福島駅に顔を出し、天王寺から阪和線に入り和歌山に着く。都会の夜の景色だけど、繁華街の明かりが消えているようで、どこかうら寂しい。貨物支線自体が裏通りの雰囲気だったけれども。和歌山駅では23時42分から1時までの長時間停車だ。ここで夜食タイム。和歌山駅東口から徒歩5分の「中華そば まる豊」で和歌山ラーメンを食べる。ツアー料金に含まれているので、添乗員さんにクーポンを渡して店内へ。豚骨醤油のスープがうまい。

和歌山ラーメン、うまし

 店内のBGMがずっと山口百恵さんの『いい日旅立ち』で昭和感丸出し。しかもずっとリピートしている。実はこの歌、旧国鉄のキャンペーンソングで、タイトルにはキャンペーンに協賛した「日立」「日旅(日本旅行)」の文字が入っている。日本旅行はJR西日本のグループ会社で、このツアーの主催会社。つまりラーメン屋さんの粋なはからいかな(笑)。私も好きな名曲だからいいけど、せめて谷村新司セルフカバー版と鬼束ちひろのアレンジ版『いい日旅立ち・西へ』もローテーションしてほしかった。いや、同じ曲で飽きさせて回転を速めようという知恵か。なにしろツアー参加者全員が交代で食べるわけだから。

 列車に戻り、座席モードからベッドモードへ転換した。さあ寝よう。ベッドがあるなら寝なきゃもったいない。車内の明かりも暗くなった。

写真=杉山淳一

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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