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「15年越しの思い出がめちゃくちゃにされました」 『ポケモン』リメイク新作に襲いかかった“バグによる怒涛の13日間”のヤバい実態

初週売上は『あつ森』級のヒットとなったが…

2021/12/04
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『ポケモンBDSP』の「怒涛の13日間」

 12月2日に実施されたアップデートにより、ひとまず『ポケモンBDSP』のバグだらけの状態は収まった。しかし、気になるのは『Pokémon HOME』との連携である。『Pokémon HOME』は各種ゲームソフトと連携し、ポケモンを1箇所に集められるうえほかのゲームにも送れるソフトだ。つまり、『ポケモンBDSP』で増殖したポケモンはここへやってきてしまう可能性がある(連携開始は2022年予定。異様な技を覚えたポケモンや明らかに状態がおかしいポケモンは移動できないようになっているようだが、実情はいまだ不透明だ)。

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 ところで、なぜ『ポケモンBDSP』では「怒涛の13日間」が発生したのだろうか。考えられる理由の一つは開発期間の不足である。前述のように本作は品質として気になる部分が多いほか、発売初日に規模の大きいアップデートを実施しているのだ。

 昨今のゲームは初日にアップデートすることはなんら珍しくないが、『ポケモンBDSP』では最初から入っていてもよいクリア後のおまけ要素やムービー、演出まで追加されている。さらに特定の追加要素も後日アップデートでの対応予定となっており、開発の時間が足りなかったようにも見える。

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 また、いつもであれば、ポケモンの制作は「株式会社ゲームフリーク」が担当しているのだが、この会社は2022年1月発売の 『Pokémon LEGENDS アルセウス』に注力しているためか、『ポケモンBDSP』は別のゲーム会社が開発している。同時期に2作品を出すのが無茶だったのか、うまく制作体制を整えられなかった可能性もありうる。