2021年5月のコロナ感染第4波、7~9月のデルタ株による第5波により、多くの立ち食いそば店は一時閉店や営業時間の短縮を余儀なくされた。薄利多売のこの業界は厳しい状況が続いていた。そんな中、今年は業界的にどんな動きがあったのか、昨年末に予測した項目に沿って振り返ってみようと思う。
昨年末、文春オンラインに掲載した「2021年の立ち食い・大衆そば店はこうなる」と予想した項目は次の通りであった。結論から言えばほぼ的中である。
予測1:来年も閉店が続く可能性がある 的中
予測2:高単価メニューの開発が進む 的中
予測3:テイクアウトが増える 的中
予測4:昼型の店が増える 的中
予測5:国内産蕎麦粉の使用の比率が上がる可能性も 少し的中
「予測1:来年も閉店が続く可能性がある」
2021年は閉店する店が相変わらず多かった。ただしリニューアルや新規オープンが増えたことは2020年にはあまりなかった傾向である。
今年も個人経営店(もしくは小規模経営店)の閉店が多かった。上永谷の「上永谷そば」(1月)、高島平の「たけや」(1月)、麹町の「あさひ」(3月)、中野の「中野屋」(3月)、蒲田の「みよし庵」(4月)、八重洲の「丼拓」(4月)、人形町の「きうち」(5月)が閉店。
大変お世話になった飯田橋の「稲浪」(6月)、目黒の「田舎」(8月)、四ツ谷の「四谷政吉」(10月)も閉店した。金町の「そばっ子」(7月)は後継企業が見つからず閉店。残念でならない。
しかし、新たな動きも見え始めている。矢口渡の「まる美」(2月)、秋葉原の「清水や」(3月)がオープンしている。