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「威嚇したのはそっちでしょう」太田光と松本人志…生放送で見せた“因縁の物語”の終焉《かつては共演NG説も》

「威嚇したのはそっちでしょう」太田光と松本人志…生放送で見せた“因縁の物語”の終焉《かつては共演NG説も》

2021/12/30
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 一昔前のテレビには荒っぽいところがあり、何が起こってもおかしくない危なっかしさがあった。生放送のバラエティ番組も今よりずっと多かったし、放送事故と言われるようなトラブルも珍しくはなかった。

 今のテレビは良くも悪くもお行儀のいいものになっていて、危ない瞬間はなかなか表に出てこない。バラエティ番組で放送される素材の大半はすでに編集済みのものであり、本当に際どい内容は事前にカットされている。

選挙特番でも注目を浴びた“太田の暴れっぷり”

 そんな今のテレビでも、何をしでかすかわからない危うさを漂わせているタレントがごく少数ながら存在している。爆笑問題の太田光はその1人だ。彼は30年以上もテレビの世界で活躍する超一流のタレントでありながら、これまでに数々の問題行動を起こしてきた要注意人物でもある。特に、生放送では編集されないのをいいことに、好き放題に暴れることが多く、たびたび世間を騒がせてきた。

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 記憶に新しいところでは、2021年10月31日放送の衆院選開票特番『選挙の日2021 太田光と問う!私たちのミライ』(TBS)で司会を務めた際、政治家への態度が悪いということで批判が殺到したことがあった。

爆笑問題の太田光 ©AFLO

 また、2019年11月2日放送の『FNS27時間テレビ ~にほんのスポーツは強いっ!~』(フジテレビ)でも歴史的な大暴走を展開した。当時フジテレビの社長だった遠藤龍之介氏をいきなり羽交い締めにしたり、鬼越トマホークのお決まりのやり取りを潰そうとしたり、行動のすべてが空回りしてスベり続けていた。温厚な人柄で知られる関根勤にすら「全部間違ってる」とたしなめられたというのだから、その無軌道な暴れっぷりは相当なものだ。

 それでも、今のところ太田の仕事が途絶える気配はなく、彼はいまだにテレビの第一線で活躍している。太田の暴走はすでに一種の「テレビ芸」として制作者には織り込み済みのことであり、その範囲で暴れることは許容されているし、期待されてもいる。

 選挙特番の件に関しても、太田自身は与えられた役目をまっとうしただけであり、責任があるとすれば彼を起用した制作者の方だろう。