動画配信も青少年モードで制約
中国の若者には、ゲームとセットでアニメが人気です。これもまた動画配信サービス「bilibili」や中国向けTikTokの「抖音」では青少年モードが用意され、「利用は1日40分、22時から6時まで利用不可に」になりました。実名ユーザー登録するとさまざまな機能が使えるものの、未成年だと制約がかかるというもので、逆に言えば登録しなくてもある程度動画視聴が可能となっています。動画が見られないならと、やはり時間制限なく視聴できる海賊版に流れる動きも確認できます。
未成年でなければ大丈夫かというとそうでもなく、9月に開催された「北京国際遊戯創新大会」というイベントで、「遊戯出版物内容審査要点与解析」なる文書が配布され、ゲームでの表現の自由をかなり奪うであろう規制が考えられていることがわかりました。それによると、金の力で強くなるゲームやアウトローな世界観、戦争モノなど反社会的なモノ、日本の歴史を美化しすぎたもの、BLなどが規制対象になるようです。
アニメやゲームだけではありません。8月にはアイドルのファンコミュニティが大幅に規制されました。一面としては芸能人の所属事務所がファンを組織化して、グッズを購入したり、アンチを徹底的にたたいたりする行為があり、たしかに行き過ぎた面はある。とはいえ、常識的な額で応援する人もまたとばっちりを受けたのです。
学習塾を規制する政策も…教育関係者はリストラの憂き目に
勉強のルールも変わりました。宿題を減らし学習塾で勉強しないようにすることを目的とした通称「双減」と呼ばれる政策が7月に出ました。中国の学校の宿題は非常に多く、集中できない子であれば、小学校中学年にして日を跨いで宿題をやるくらいのとんでもない量です。学習塾に通えばそこでも宿題が出るので、中国人に小中高校生の頃の話を聞けば、まあ宿題の嫌な思い出が間欠泉のようにでて止まらないわけです。
双減では各個人が負担する養育費を減らして、子どもを産みやすくするのが目的です。これによりコロナでのオンライン教育ニーズをきっかけに成長した教育系企業は、ユニコーン企業も含めて一気に事業を大幅縮小しました。そうするとまず悲惨なのが教育関係で働いていた人々で、これから頑張るぞと意気込んだ若い人々がリストラされてしまいました。
おねがい社長のCMでも、政府の方針によって軌道に乗った事業を突然畳むことになり、いきなり無一文に戻るというストーリーを見たいと思いました。