人はどうして太ってしまうのか。そして、なぜ痩せられないのか。それは私たちのせいではありません。知らず知らずのうちに、脳内が糖質に侵されて「糖質中毒」になってしまったからです。では、何を食べてよくて、絶対に食べたり飲んだりしてはいけないものは何なのか、さらにはどのような食べ方をすると効果があるのでしょうか。
そのヒントは、糖尿病専門医である牧田善二先生による『糖質中毒 痩せられない本当の理由』(文藝春秋)に書かれています。ここでは、同書より一部抜粋して、「糖質制限」の知られざる事実について紹介します。(全4回の3回目/#1、#2、#4を読む)
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そもそも肥満とは、どういう状態を指すのでしょうか。簡単に言えば、体の中に脂肪が異常に蓄積された状態です。このときの脂肪を、専門用語で「トリアシルグリセロール」と言います。健康診断の血液検査で、「中性脂肪」と示されているものです。
体の中に脂肪が異常に蓄積された状態が肥満なのだから、「脂質をたくさん食べたら太る」と多くの人が考えます。脂分の少ない蕎麦やおにぎりはいいけれど、脂身の多い肉は避けるべきだと思っているのです。
しかし、これは完全な間違いです。脂身たっぷりのステーキ二200グラムより、おにぎり1個、ざる蕎麦1枚のほうが太ります。
あなたを太らせるのは、脂質ではなく糖質です。糖質は甘いものとは限りません。主な肥満の原因は、ご飯やパン、麺類などの炭水化物です。
では、なぜ炭水化物が肥満を呼ぶのでしょう。