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糖質制限で筋肉が落ちるというのはウソです

 糖質中毒から脱却するには、糖質摂取量を制限するしかありません。

 そして、糖質制限を行えば、肥満が解消し、さまざまな怖い病気にかかるリスクが軽減します。つまり、いいことだらけです。

 ところが、人間の体の仕組みをよく理解していない人たちによって、ウソの情報が垂れ流されています。なかでもよく耳にするのが、「糖質制限で体重を減らすと筋肉が落ちる」というものです。

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 しかし、そんなことはありません。糖質の代わりに筋肉をエネルギー源として使わなければならないようなことは、現代人の身の上には基本的に起きません。

 先にも述べたように、私たちの体はまずブドウ糖をエネルギー源にします。糖質制限を行って食事から摂るブドウ糖がなくなれば、貯蔵してあったグリコーゲンが分解されて使われます。

 そのグリコーゲンもなくなったときに、ようやく脂肪が使われます。つまり、痩せはじめます。とはいえ、溜め込んでいる脂肪が全部、燃えるわけではありません。

 体重70キロの男性なら、約14キロの白色脂肪細胞を有していて、それだけで80日分のエネルギーになるのでしたね。もし、この男性が本当に一切の糖質を摂らずに80日間を過ごし、脂肪を全部燃やし尽くしてしまったなら、理屈から言えば筋肉が分解されてエネルギーとして使われるようになります。

 でも、ふつうに生活していてそんなことってあるでしょうか?

 そもそも糖質制限は、糖質摂取量をゼロにして続けるものではありません。それに、糖質含有量が少ない食べ物でも、ある程度は含まれています。たとえ、ものすごく厳密に糖質摂取量を減らしている人でも、筋肉まで使わなければならない事態には陥りません。どうか、おかしな情報に惑わされず、自分の健康を守ってください。