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炭水化物が肥満を呼ぶ仕組み
前にも述べたように、炭水化物は多糖類に属します。砂糖は二糖類です。ブドウ糖がたくさん連なっているのが多糖類、二つくっついているのが二糖類です。
いずれにしても、それらを口から食べると、消化の過程ですべて1個1個のブドウ糖に分解されます。そのブドウ糖が小腸から吸収されて血液中に送られます。つまりは、ご飯を食べても砂糖をなめても、同じことが起きるわけです。
このとき、血液中にどのくらいブドウ糖が存在するかを示す指針が血糖値です。血糖値は、70~140くらいの範囲で上下しているのが理想ですが、糖質が多く含まれたものを食べるとぐんと上がります。140くらいはしょっちゅうで、気づかずに200くらいまで上がっていることもあります。
血糖値が上がりすぎると昏倒して命に関わるため、膵臓からインスリンというホルモンが出て、血糖値を下げる機能が私たちの体には備わっています。
その仕組みですが、血液中に溢れたブドウ糖を、インスリンがまずはグリコーゲンに換えて肝臓や筋肉に貯蔵します。しかしながら、グリコーゲンとして貯蔵できる量は限られており、余ったブドウ糖はトリアシルグリセロールに置き換えられ、脂肪細胞に蓄積されます(図表10参照)。つまり、太るわけです。
しかも、糖質はほぼ100パーセント、ブドウ糖となり、無駄なく吸収されます。
だから、炭水化物をたくさん食べれば、体の脂肪がどんどん増えて太っていくのは当たり前なのです。