みるみるほかの車が見なくなっていき…
最初の検問所を過ぎてからはがくんと交通量が減った。それだけでなく、街灯がなくなったのである。まだまだここはキエフに直結する40号線である。それなのにみるみるほかの車を見なくなっていくのである。また積み荷満載したフォードは当然速度が上がらず、うしろからやってくる大型トラックにまで追い越されていき、やがてとうとうたった1台になった。
リビウを発って2時間、闇の中こうこうとネオン輝くドライブインに最初のトイレ休憩のため、立ち寄った。
なぜこのドライブインに寄ったのかすぐ分かった。まだかろうじて営業している売店の横にでっかいビヤ樽からじゃぶじゃぶ水があふれ出ているのである。ルスランが1.5リッター入りのペットボトルをかかえその蛇口から溢れる液体を注ぎ始めた。「ヤポンスキーも飲め」と勧めるのでほとんどからになっていたペットボトルに注いだあと、ぐびっとやったがぬるかった。蛇口のうえにキリストのような肖像画が飾られており、ルスランはこれで元気が湧きあがったようであった。
売店には日本同様ミネラルウォーターを含め飲料やスナック類が並び、平時と変わらんように見えた。リビウで夕食を食いそこねたのを思い出し、ハンバーガーを注文した。レンジであたためられたバーガーは日本のコンビニバーガーよりはるかに大きく、ジューシーだった。なおウクライナは黒海沿岸はワインで有名だが、コーヒーがうまいことでも有名である。このドライブインでも挽きたてのコーヒーが提供された。50フリブナ、約200円だった。
しかし、平時と同じように見えたのはここまでだった。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。